中学生の英作文の書き方とコツ|テスト・入試に効く基本パターン
高校受験の英作文は「読める英文」を増やすところから始まります
高校受験の英作文で書く内容が思いつかない、思いついても英語にできない、長文に時間を使いすぎて英作文に十分な時間を残せない。こうした悩みは、入試英作文の対策を始めた中学生によく見られます。都立高入試や自校作成校でも、英作文に使える表現を増やし、限られた時間で書ききる力が必要です。
英作文は、いきなり自由に書こうとすると難しくなります。大切なのは、知っている表現を使って、採点者に伝わる英文にすることです。難しい日本語をそのまま英語に直そうとするより、確実に書ける英文へ言い換えるほうが、本番では安定します。
高校受験の英作文でまず目指す答案
- 難しい長文ではなく、短く正確な英文で書く
- 意見を書く問題では、求められた理由まで伝える
- 知らない表現を無理に使わず、確実に使える表現を選ぶ
- 設問で求められている内容から外れない
入試では、意見や理由を書く問題、経験や考えを説明する問題、示された状況を英語で表す問題などがあります。どの形式でも、まずは設問に合った内容を考え、自分が使える英文で表すことが基本です。
ここからは、実際に英作文を書く手順を確認したうえで、日本語を英語に言い換えるコツ、都立高・自校作成校の問題を意識した練習方法、時間配分について説明します。
高校受験の英作文の書き方|本番で使える5つの手順
英作文を書くときは、最初から長い英文を考える必要はありません。設問を確認し、書ける内容を選んでから英文にすると、書き始めやすくなります。
- 設問を読む
何について書くのか、意見を書くのか、状況を説明するのかを確認します。語数や文の数などの条件があれば、それも確認します。 - 日本語で内容を軽く考える
難しい日本語ではなく、自分が英語にしやすい内容を選びます。理由を求められている場合は、理由も一緒に考えます。 - 使える英文を選ぶ
I think … / I want to … / It is important to … など、すでに知っている表現を使って英文を組み立てます。 - 必要な理由や説明を加える
意見と理由を求められる問題では、because などを使って理由を伝えます。設問に必要な内容がそろっているか確認しましょう。 - 最後に文法と設問の条件を確認する
主語、動詞、時制、三単現、複数形、ピリオドなどを見直します。
意見と理由を書く英作文の完成答案例
たとえば、次のような練習問題を考えてみましょう。
練習問題
What subject do you like the best at school? Why?
学校で最も好きな教科は何ですか。また、それはなぜですか。
この問題では、好きな教科とその理由を伝える必要があります。たとえば、音楽が好きで、音楽を聴くと楽しい気持ちになるという内容なら、次のように書けます。
完成答案例
I like music the best because listening to music makes me happy.
この答案では、I like music the best が好きな教科についての答え、because listening to music makes me happy が理由です。
難しい表現を使わなくても、設問で求められた2つの内容を伝えられます。ただし、実際の入試では語数や文の数などの指定がある場合もあるため、その条件に合わせて書く必要があります。
短い英文に理由を足す練習をする
基本の書き方を理解したら、短い英文を少しずつ変える練習をしてみましょう。主語や目的語を入れ替え、最後に理由を加えるだけでも、入試英作文で使いやすい形になります。
練習例
I like English.
→ I like music.
→ I like music because it makes me happy.
最初から長い文章を作ろうとせず、知っている英文を少し変える → 理由や説明を足すという順番で練習すると、覚えた表現を実際の答案で使いやすくなります。
本番では、英文を長くすることよりも、設問に合った内容が書けているかを優先しましょう。
頭に浮かんだ日本語をそのまま英語にしない
英作文で時間がかかる原因の一つは、頭に浮かんだ日本語を最初から英語に直そうとすることです。日本語の表現を一語ずつ英語に置き換えようとすると、使い慣れていない単語や文法が必要になり、ミスも出やすくなります。
英作文では、「頭に浮かぶ日本語をすべて英語に直す」のではなく、「伝えたい内容を、確実に書ける英語で表す」ことを意識しましょう。
たとえば、「私はその経験を通して、人と協力することの大切さを深く実感しました」と書きたいとします。この日本語をそのまま英語にしようとすると、難しい表現が増えます。しかし、内容を少しやさしくして、次のように書くことはできます。
I learned that working with others is important.
この英文では、「深く実感した」という日本語の細かなニュアンスをすべて再現しているわけではありません。しかし、「人と協力することが大切だと学んだ」という中心的な内容は伝えられます。
ただし、設問で指定された情報まで省略してよいわけではありません。必要な内容を残しながら、書ける英語へ言い換えることが大切です。
英作文の前に何を準備すべきかを先に整理したい場合は、英作文を書く前に身に着けるべき2つの力もあわせて確認しておくと、この「使える表現」をどう増やすかが見えやすくなります。
日比谷高校の英作文例で考える
実際の高校入試でも、頭に浮かんだ日本語をそのまま英語にするのではなく、知っている英文の形を利用して説明する考え方が役立ちます。
たとえば2020年の日比谷高校では、次のような状況を英語で表す問題が出題されました。
ある人が自動翻訳機を使っている。その人は<雨>と相手に伝えたいが、翻訳機が<飴>と出力してしまった。

この場面では、男性が伝えたかった「雨」と、翻訳機が出力した「飴」の違いを、英語でどう説明するかがポイントになります。
難しい日本語をそのまま英語にしようとすると
まず、状況を詳しく説明しようとした英文の例を見てみましょう。

この英文では、男性が何を言いたかったのか、翻訳機がなぜ間違えたのか、何と出力されたのかを、一度に説明しようとしています。
しかし、英文が長くなるほど、文のつながりや単語の使い方にも注意が必要です。入試本番では、細かい事情をすべて説明しようとするより、設問に必要な内容を整理することが大切です。
知っている英文の形から説明を考える
そこで、説明する内容を絞り、短い英文に言い換えることを考えます。
次の画像は、英文を短くしようとした例です。

画像の英文は、「男性の翻訳機が間違った言葉を話す」という内容に簡単にしようとしています。
ただし、この英文には注意点があります。「a wrong words」は単数と複数が一致しておらず、「speaks」の使い方も不自然です。また、この文だけでは「雨」と「飴」の取り違えまでは説明できません。
たとえば、伝えたかった内容と翻訳機が出力した内容を、次のように短い英文で表す方法もあります。
言い換えの例
The man wants to say “rain,” but the machine says “candy.”
この英文では、wants to say で男性が伝えたい内容を表し、but で翻訳機が出力した言葉との違いを示しています。
複雑な文法を使わなくても、何を伝えたかったのか、何が間違っていたのかを説明できます。
もちろん、実際の答案では、出題文で指定された条件を満たす必要があります。ここで示した英文は、問題の正式な模範解答ではなく、状況を短い英語で説明するための例です。
このように、伝えるべき内容を確認し、それに合った知っている英文の形を選ぶことが、入試英作文で役立つ考え方です。
高校受験の英作文で使える表現を増やすために
「書く」ために「読む」
「書きたいことはあるけれど、どう書いていいのか分からない」という場合は、英作文を書く練習だけでなく、英文を読むことも大切です。
日本語で文章を書くときも、それまでに読んだことのあるフレーズや言い回しを利用しています。英語も同じで、読んで理解できる英文が増えると、その中から英作文に使える表現を見つけやすくなります。
ただし、読める英文が増えれば自動的に書けるようになるわけではありません。読んだ英文を自分でも書いてみることで、実際に使える表現へ変えていきます。
教科書を英作文の材料にする
では、何を読むべきなのでしょうか。まず確認したいのは「教科書」です。高校受験では、中学校で学習した語彙や文法、英文の形を確実に使えるようにすることが土台になります。
教科書には、英作文でも応用しやすい基本的な英文が多く含まれています。教科書を音読し、基本例文を和文英訳できるようになることも、使える表現を増やす練習になります。
教科書を使うときは、ただ読むだけでなく、次のように英作文へつなげます。
- 短い英文を声に出して読む
- 日本語を見て英文に戻せるか確認する
- 主語や目的語を入れ替えて似た文を書く
- 入試で使えそうな表現をノートに残す
例文をどう覚えて実際に使える形にするかは、英作文の例文暗記|書ける形で覚える方法でも整理しています。
他の人の答案から表現を増やす
また、他者の答案を読むことも勉強になります。自分で書くだけでは、どうしても使う表現が限られます。出題傾向が変わったときに、毎回同じ言い方しか出てこないと、内容に合った英文を書きにくくなります。
先生の添削例だけでなく、同じ受験生の答案を読むことも役立ちます。「使える」と思った表現は、ただ見て終わらせず、自分でも文を変えて書いてみましょう。
たとえば、次のような短い表現は、場面を変えて使いやすいです。
- I think it is important to …
- I want to … because …
- It is difficult for me to …
- I learned that …
- This experience helped me …
これらは完成した答案ではなく、英文を組み立てるための基本表現です。設問に合わせて後ろに言葉を補い、自分が伝えたい内容に変えて使いましょう。
こうした表現を持っておくと、英作文の内容をゼロから組み立てる必要がなくなり、書き始めやすくなります。
独学で進める場合に参考書をどう使うか迷うときは、自由英作文は参考書が必要か・不要かも参考になります。
高校受験の英作文が書けない原因と時間配分の考え方
高校受験の過去問を解き始めると、「書く内容が思いつかない」「英語にできない」「時間が足りない」といった問題に直面することがあります。
これらは同じように見えても、原因が異なります。書く内容が思いつかない場合は設問に合った考えを選ぶ練習が必要ですし、英語にできない場合は、使える英文の形が不足している可能性があります。
一方、書ける力があっても、試験全体の時間配分によって英作文を完成させられないことがあります。
読解に時間を使いすぎていないか確認する
英作文の時間が足りないときは、英作文だけでなく、長文読解にどのくらい時間を使っているかも確認しましょう。
長文の文章量が多くなると、読解に時間を使いすぎて、最後の英作文まで十分な時間を残せない場合があります。
ただし、単に目を速く動かせばよいわけではありません。英文の主語、動詞、接続詞、指示語を取りながら読み、本文の内容を大きく外さないことが必要です。
過去問を解くときは、読解と英作文にそれぞれ何分かかったかを確認すると、どこで時間を使っているのか把握しやすくなります。
試験形式に合わせて英作文の時間を確保する
英作文に必要な時間は、問題の形式や分量によって異なります。過去問を解く際には、設問を読んで内容を考える時間、英文を書く時間、見直す時間まで含めて確認しましょう。
入試形式によっては、ほかの問題の説明時間や問題間の時間などに、英作文の設問を確認できる場合もあります。ただし、問題冊子を確認できるタイミングや試験中の行動に関する条件は異なるため、受験する学校・試験の指示に従うことが前提です。
リスニングを犠牲にして英作文を考えるのではなく、目の前の問題に集中しながら、試験全体を最後まで解ききれる時間配分を練習しておきましょう。
本番で英作文を書いた後に確認したいこと
英文を書き終えたら、設問で求められている内容が入っているかを確認し、文法や表記のミスを見直します。
特に、1文が長くなりすぎて主語と動詞の関係が分かりにくくなっていないか、理由を求められているのに意見だけで終わっていないかに注意しましょう。
英作文の最終チェックリスト
- 設問で求められた内容を書いているか
- 主語と動詞があるか
- 時制が合っているか
- 三単現の s が必要か
- 名詞の複数形が必要か
- 理由を書く問題では、理由まで書けているか
- because を使った場合、後ろが文になっているか
- 文末にピリオドがあるか
- 語数や文の数など、設問の条件を満たしているか
難しい単語を無理に使う必要はありません。使い慣れた表現でも、必要な内容が伝わり、文法が正確であれば、答案として十分に意味があります。
高校受験の英作文でよくある質問
英作文で何を書けばよいか思いつかないときはどうすればよいですか。
設問の条件を確認したうえで、自分が英語で説明できる内容を選びましょう。意見を求められた場合は、理由を1つ説明できる考えを選ぶと書き始めやすくなります。
英作文のために例文暗記は必要ですか。
例文暗記は役立ちます。ただし、丸暗記で終わらせず、主語や目的語を変えて、自分の伝えたい内容に使えるようにすることが大切です。
英作文の時間が足りないときは何を優先すべきですか。
まず、読解などほかの問題に時間がかかりすぎていないか確認しましょう。そのうえで、書く内容を簡単に整理し、使い慣れた英文で組み立てる練習をすると、書き始めるまでの時間を減らしやすくなります。
まとめ|高校受験の英作文は読んだ英文を使える形にする練習です
高校受験の英作文では、難しい日本語をそのまま英語にすることよりも、読んだことのある英文を使い、設問に合った内容へ言い換えることが大切です。
- 設問の条件を確認し、書ける内容から英文を組み立てる
- 日本語を直訳せず、知っている英文の形を状況に合わせて使う
- 教科書や他の人の答案から表現を学び、自分でも書いてみる
- 過去問では時間配分を確認し、最後に内容と文法を見直す
英作文が苦手な場合は、いきなり自由に書く練習だけを増やすのではなく、まずは読める英文を増やし、それを少しずつ変えながら自分の答案に使えるようにしていきましょう。

【語彙強化講座】:長文読解に必要な語彙・熟語を確認し、都立・私立の入試対策につながる語彙力を養います。英作文そのものの講座ではありませんが、英作文で使える語彙や例文の土台を増やしたい場合にも役立ちます。


