中学生の英作文の書き方とコツ|テスト・入試に効く基本パターン
高校受験の英作文は「読める英文」を増やすところから始まります
高校受験の英作文で書く内容が思いつかない、思いついても英語にできない、長文に時間を使いすぎて英作文に十分な時間を残せない。こうした悩みは、都立高入試や自校作成校の対策を始めた中学生によく見られます。
英作文は、いきなり自由に書こうとすると難しくなります。大切なのは、知っている表現を使って、採点者に伝わる英文にすることです。難しい日本語をそのまま英語に直そうとするより、確実に書ける英文へ言い換えるほうが、本番では安定します。
このページでは、都立高・自校作成校の英作文を意識して、時間不足への対応、よく使う表現の増やし方、教科書や例文の使い方、答案を読み直す観点を整理します。
このページで確認すること
- 英作文に時間を残すために、読解とリスニング時間をどう使うか
- 頭に浮かんだ日本語を、書ける英語へ言い換える考え方
- 教科書・例文・他の受験生の答案から表現を増やす方法
- 日比谷高校の出題例から見る、自然な英語への置き換え方
- 本番前に見直したい文法・語順・理由の書き方
英作文で先に分けて考えること
| 困りやすいこと | 見るポイント | 対策 |
|---|---|---|
| 時間が足りない | 長文読解に時間を使いすぎていないか | 読む時間を短くし、英作文に使える時間を残す |
| 英語にできない | 書ける表現が少なくないか | 教科書・例文・答案から短い英文を増やす |
| 文法ミスが多い | 主語・動詞・時制が見えているか | 短い文で、理由まで書く練習をする |
英作文が書けない理由は大きく2つあります
都立自校作成校の過去問を解き始め、最初に当たる壁は「時間が足りない」ことではないでしょうか。長文の文章量が多くなると、「解き終わらない」「英作文にまわす時間がない」という状態が生じます。
一つ目の原因は、読解に時間がかかりすぎていることです。英作文の時間が足りない場合、英作文だけを練習しても解決しないことがあります。長文を読む時間が長すぎると、最後に英作文を書く余裕が残らないからです。
二つ目の原因は、英文の組み立てが頭に入っていないことです。書きたい内容が日本語では浮かんでいても、英文の構造や言い回しが思い出せないと、採点者に伝わりにくい英文になってしまいます。
英作文対策で分けて考えること
・英作文を書く時間をどう残すか
・書ける表現をどう増やすか
英作文に時間を残すには読解時間を短くする必要があります
物理的な意味では、「速読」も大事です。「書けない=時間がない」のであれば、それは「読めない=時間がかかる」からです。速く正確に読めれば、その分だけ英作文に時間を使えます。
ただし、単に目を速く動かすだけでは十分ではありません。英文の主語、動詞、接続詞、指示語を取りながら読み、本文の内容を大きく外さないことが必要です。長文読解が不安定なままでは、英作文の時間だけでなく、本文内容を使った記述にも影響します。
つまり、英作文の対策には、読解を速くする練習と書ける英文を増やす練習の両方が必要です。
リスニング時間を使って英作文の準備をする
短時間で英作文を書ききるには、リスニング中の待ち時間と、よく使う表現の活用が重要です。
まず「リスニングの時間」についてです。音声でリスニング問題の説明がされている間に、英作文の問題を見ておきましょう。英作文が本文と独立して出題されている場合は、リスニングの時間のうちに設問処理をある程度しておくことができます。
通常リスニングは問題Aと問題Bの二種類が出題されます。問題Bは記述を含むため、英文が読まれる2回とも注意深く聴く必要がありますが、問題Aは1回目で答えを出せる場合があります。
その場合、2回目に英文が読まれている間に、英作文の内容を軽く考えておきます。問題Aは複数問出題されるため、その時間を使えば、英作文で書く内容の候補を作ることも可能です。
もちろん、リスニングを犠牲にして英作文を見るという意味ではありません。リスニングで確実に取るべき問題は取り、そのうえで使える時間を英作文に回すという考え方です。
頭に浮かんだ日本語をそのまま英語にしない
次に「よく使う表現」です。頭に思い浮かぶ内容を英語にする際、イチから英語に直していては時間がかかり過ぎますし、文法ミスも出やすくなります。
英作文では、「頭に浮かぶ日本語を全て英語に直す」のではなく、「完全ではないが近い内容を、確実な英語で書く」ことを意識しましょう。
たとえば、「私はその経験を通して、人と協力することの大切さを深く実感しました」と書きたいとします。この日本語をそのまま英語にしようとすると、難しい表現が増えます。しかし、内容を少しやさしくして、次のように書くことはできます。
I learned that working with others is important.
日本語の細かさをすべて残すより、採点者に伝わる英文にすることが大切です。自分が確実に使える表現に寄せることで、短い時間でも読みやすい答案になります。
英作文の前に何を準備すべきかを先に整理したい場合は、英作文を書く前に身に着けるべき2つの力もあわせて確認しておくと、この「使える表現」をどう増やすかが見えやすくなります。
日比谷高校の英作文例で考える
たとえば2020年の日比谷高校では、次のような状況を英語で表す問題が出題されました。
ある人が自動翻訳機を使っている。その人は<雨>と相手に伝えたいが、翻訳機が<飴>と出力してしまった。

この状況を、頭に浮かんだ日本語のまま英語にしようとすると、不自然な英文になりやすくなります。

このような場面では、難しい表現を無理に使うより、すでに知っている英文の形に近づけることが大切です。

この表現は、次のような英文を応用したものです。
Our city has three libraries.
「何かがある」「何かが含まれている」「ある場面に何が見える」といった内容は、主語 + has / have + 名詞の形で表せることがあります。自分が知っている英文を、別の場面に応用する発想が重要です。
知っている英文を使う考え方
- Our city has three libraries. の形を使う
- 主語を場面に合わせて変える
- has / have の後ろに、見えるものや含まれるものを置く
- 難しい日本語を、短い英文に置き換える
使える表現を増やすために
「書く」ために「読む」
では、そういった表現をストックしていくにはどうすればよいのでしょうか。「書きたいことはあるけれど、どう書いていいのか分からない」という悩みもよく聞きます。
これを解決するために、まずは日本語の作文をイメージしましょう。文章を書くときは、それまでに読んだことのあるフレーズや言い回しを使っているはずです。
英語も同じです。「読んで覚えた語彙=使える語彙」です。書けるようにするための第一歩は、英語の文を読むことです。
教科書を英作文の材料にする
では、何を読むべきなのでしょうか。まず確認したいのは「教科書」です。都立高校の問題は教科書の内容が出題範囲に含まれるため、教科書を読み込むことが土台になります。
現在の教科書は英文量も多く、英作文で使える表現が多く含まれています。教科書を音読し、基本例文を和文英訳できるようになるだけで、使える表現はかなり増えます。
教科書を使うときは、ただ読むだけでなく、次のように英作文へつなげます。
- 短い英文を声に出して読む
- 日本語を見て英文に戻せるか確認する
- 主語や目的語を入れ替えて似た文を書く
- 入試で使えそうな表現をノートに残す
例文をどう覚えて実際に使える形にするかは、英作文の例文暗記|書ける形で覚える方法でも整理しています。
他の人の答案から表現を増やす
また、他者の答案を読むことも勉強になります。自分で書くだけでは、どうしても使う表現が限られます。出題傾向が変わったときに、毎回同じ言い方しか出てこないと、内容に合った英文を書きにくくなります。
先生の添削例だけでなく、同じ受験生の答案を読むことも役立ちます。「使える」と思った表現は、ただ見て終わらせず、自分でも文を変えて書いてみましょう。
たとえば、次のような短い表現は、場面を変えて使いやすいです。
- I think it is important to …
- I want to … because …
- It is difficult for me to …
- I learned that …
- This experience helped me …
こうした表現を持っておくと、英作文の内容をゼロから考えずに済みます。
独学で進める場合に参考書をどう使うか迷うときは、自由英作文は参考書が必要か・不要かも参考になります。
英作文を書くときに避けたいこと
高校受験の英作文では、難しいことを書くよりも、採点者に伝わる英文を書くことが大切です。特に次のような書き方には注意が必要です。
- 日本語をそのまま英語に直そうとする
- 知らない単語を無理に使う
- 1文が長くなりすぎる
- 主語と動詞がはっきりしない
- 理由を書かずに意見だけで終わる
英作文は、難しい文を書いたから点数が伸びるわけではありません。短くても、主語と動詞がはっきりしていて、理由が伝わる文のほうが評価されやすくなります。
本番前に確認したい英作文の書き方
本番前は、次の流れを確認しておくと、英作文で慌てにくくなります。
- 設問を読む
何について書くのか、意見を書くのか、状況を説明するのかを確認します。 - 日本語で内容を軽く考える
難しい日本語ではなく、英語にしやすい内容にします。 - 使える英文を選ぶ
I think … / I want to … / It is important to … など、書ける表現に寄せます。 - 理由を1つ入れる
because を使って、意見や説明に理由をつけます。 - 最後に文法を確認する
主語、動詞、時制、三単現、複数形、ピリオドを見直します。
短い時間でも、この流れを決めておくと、白紙のまま時間だけが過ぎることを避けやすくなります。
最後に見る項目
- 主語と動詞があるか
- 時制が合っているか
- 三単現の s が必要か
- 名詞の複数形が必要か
- because の後ろに理由が書けているか
- 文末にピリオドがあるか
英作文力を伸ばすための練習
英作文力を伸ばすには、長い英文をいきなり書くよりも、短い英文を正確に書けるようにすることが大切です。
まずは、教科書や例文集の短い英文を使って、日本語から英語に戻す練習をします。次に、主語や目的語を入れ替えて、自分のことを書けるようにします。
練習例
I like English.
→ I like music.
→ I like music because it makes me happy.
このように、短い文に理由を加えるだけでも、入試英作文で使いやすい形になります。
こうした「書ける表現をためて、実際に答案に落とす」練習を体系的に行う指導の全体像は、大学受験の英作文講座(全体像はこちら)で整理しています。
よくある質問
英作文で何を書けばよいか思いつかないときはどうすればよいですか。
難しい内容を考えるより、自分が英語で書ける内容に寄せます。好きなこと、経験したこと、理由を1つ言えることを選ぶと書きやすくなります。
難しい単語を使ったほうが評価されますか。
無理に難しい単語を使う必要はありません。意味が伝わり、文法ミスが少ない英文のほうが安定します。知っている単語で短く書くことも大切です。
英作文のために例文暗記は必要ですか。
役立ちます。ただし、丸暗記で終わらせるのではなく、主語や目的語を変えて自分の内容に使えるようにすることが大切です。
英作文の時間が足りないときは何を優先すべきですか。
読解に時間がかかりすぎていないかを確認します。そのうえで、I think … because … のように短く使える表現を準備しておくと、書き始めやすくなります。
書いた英文はどこを見直せばよいですか。
主語、動詞、時制、三単現、複数形、ピリオドを確認します。理由を書いた場合は、because の後ろが文になっているかも見ておきましょう。
まとめ|英作文は読んだ英文を使える形にする練習です
高校受験の英作文で大切なのは、難しい日本語をそのまま英語にすることではありません。読んだことのある英文を使い、伝わる内容に言い換えることです。
- 英作文に時間を残すには、読解を速く正確にする必要がある
- リスニング中の待ち時間を使って、英作文の内容を軽く考えられる
- 日本語をそのまま英語にせず、書ける英文に寄せる
- 教科書や例文暗記は、英作文で使える表現を増やす材料になる
- 他の人の答案を読むことで、自分が使える表現を広げられる
- 本番では、短くても主語と動詞がはっきりした英文を書く
英作文が苦手な場合は、いきなり自由に書く練習だけを増やすのではなく、まずは読める英文を増やし、それを自分の答案に使えるようにしていきましょう。

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