she/her/hersの違いと関係代名詞の目的格【STAGE2 Lesson10-2ニュートレジャーの道案内】

herとは、名詞の前では「彼女の」、動詞や前置詞の後ろでは「彼女を/彼女に、など」を表す語です。動詞や前置詞の後ろにある目的格のherは、文によって「彼女と」「彼女から」「彼女について」などと訳されることもあります。

このページでは、she・her・hersの違いを整理したうえで、目的格のherが関係代名詞のwhomにつながる考え方、which・thatとの使い分け、目的格の関係代名詞を省略できる形まで例文で確認します。

NEW TREASURE STAGE2の文法事項とLesson一覧は、NEW TREASURE STAGE2|中2英文法 総括+Lesson一覧(全体像はこちら)で確認できます。

she・her・hersの違いを一覧で確認

she・her・hersは、文中での役割と置かれる位置が異なります。

学校文法で覚える基本の並び:
she / her / her / hers
主格 / 所有格 / 目的格 / 所有代名詞

文法上の役割 置かれる位置 例文 意味
she 主格 主語として、通常は動詞の前 She likes music. 彼女は音楽が好きです。
her 所有格 名詞の前 This is her book. これは彼女の本です。
her 目的格 動詞や前置詞の後 I know her. 私は彼女を知っています。
hers 所有代名詞 後ろに名詞を置かず、単独で使う This book is hers. この本は彼女のものです。

見分けるポイント:名詞の前にあるherは「彼女の」を表す所有格です。動詞や前置詞の後ろにあるherは、動作や前置詞の対象を表す目的格です。hersは「彼女のもの」を一語で表すため、後ろに名詞を置きません。

herとは「彼女の」と「彼女を/彼女に、など」を表す語

名詞の前にあるherは「彼女の」

This is her book.

これは彼女の本です。

herの直後にbookという名詞があります。このherは「誰の本か」を示す所有格です。

動詞や前置詞の後ろにあるherは目的格

I know her.

私は彼女を知っています。

herは動詞knowの対象になっているため、目的格です。

I talked with her.

私は彼女と話しました。

withのような前置詞の後ろでも、目的格のherを使います。日本語では、前置詞に応じて「彼女と」「彼女から」「彼女について」などと訳されます。

sheとherは語の位置で見分ける

sheとherで迷ったときは、日本語だけで判断せず、英語の文中でどの位置に置くかを確認します。

主語として動詞の前に置くときはshe

誤り:Her likes music.
正しい形:She likes music.
likesの主語になるため、主格のsheを使います。

動詞や前置詞の対象になるときはher

誤り:I know she.
正しい形:I know her.
動詞knowの対象になるため、目的格のherを使います。

名詞の前で「彼女の」を表すときもher

誤り:This is she book.
正しい形:This is her book.
名詞bookの所有者を表すため、所有格のherを使います。

herとhersの使い分け

her bookとThis book is hersの違い

herとhersは、後ろに名詞を置くかどうかで使い分けます。

使い方 例文 意味
her+名詞 herの後ろに名詞を置く This is her book. これは彼女の本です。
hers 名詞を置かずに単独で使う This book is hers. この本は彼女のものです。

herとhersのよくある誤り

誤り:This is hers book.
正しい形:This is her book.
名詞bookの前ではherを使います。

誤り:This book is her.を「この本は彼女のものです」の意味で使う。
正しい形:This book is hers.
後ろに名詞を置かず「彼女のもの」と表すときはhersを使います。

動画で確認:関係代名詞の目的格の基本

次の動画では、目的格の代名詞を関係代名詞に変え、先行詞の後ろに置くまでの流れを確認できます。先にshe・her・hersの違いを理解してから視聴すると、herがwhomになる理由をつかみやすくなります。

目的格のherがwhomになる考え方

関係代名詞の目的格を学ぶ前に、主格と目的格の違いを整理しておきましょう。

  • 主格は、関係代名詞の節の中で主語になる形です。
  • 目的格は、関係代名詞の節の中で動詞や前置詞の目的語になる形です。
  • 人を表す目的格はwhom、物を表す目的格はwhichを基本に考えます。
関係代名詞の主格と目的格の違いを示す教材図
関係代名詞の目的格では、代名詞を関係代名詞に変え、節の先頭へ移動します。

目的格のherはwhomに対応する

次の2文を、関係代名詞を使って一つにします。

The writer is only eighteen years old.

その作家はまだ18歳です。

I like her.

私は彼女が好きです。

the writerとherは同じ人物を指しています。herは動詞likeの目的語なので、人を表す目的格の関係代名詞whomに変えます。

  1. 同じ人物を指すthe writerとherを見つける。
  2. 目的格のherをwhomに変える。
  3. whomをI likeの先頭へ移動する。
  4. whom I likeを先行詞the writerの直後に置く。

The writer whom I like is only eighteen years old.

私が好きな作家は、まだ18歳です。

会話では目的格にwhoが使われることもあります。ただし、学校文法で主格と目的格を区別する問題では、まずwhomを使う形を理解しておくと判断しやすくなります。

人を表す目的格の代名詞をwhomに変える手順を示す教材図
目的格のwhomを節の先頭へ移動し、先行詞の直後に置きます。

所有格のherはwhoseにつながる

herだから常にwhomになるわけではありません。herが名詞の前にあり、「彼女の」という所有を表している場合は、whoseにつながります。

次の2文では、the girlとherが同じ人物を指しています。

I know the girl.

私はその女の子を知っています。

Her father is a doctor.

彼女の父親は医者です。

2文目のherは、名詞fatherの所有者を表す所有格です。そのため、her fatherをwhose fatherに変え、the girlの後ろに置きます。

I know the girl whose father is a doctor.

私は、父親が医者であるその女の子を知っています。

目的格のherを変える場合はwhom、名詞の所有者を表すherを変える場合はwhoseです。

元のher 文中での役割 関係代名詞を使った形
I like her. 動詞likeの目的語 the writer whom I like
Her father is a doctor. 名詞fatherの所有者を表す the girl whose father is a doctor

物を表す目的格はwhich

Tell me about the book.

その本について教えてください。

You like it the best.

あなたはそれが一番好きです。

the bookとitは同じ物を指しています。itは動詞likeの目的語なので、物を表す目的格の関係代名詞whichに変えます。

Tell me about the book which you like the best.

あなたが一番好きな本について教えてください。

英語では、the bookの後ろにwhich you like the bestを置き、後ろから「どのような本か」を説明します。

目的格のwhomやwhichはthatに置き換えられる

目的格のwhomやwhichは、多くの場合thatに置き換えられます。

The writer whom I like is only eighteen years old.

The writer that I like is only eighteen years old.

どちらも「私が好きな作家は、まだ18歳です」という意味です。

Tell me about the book which you like the best.

Tell me about the book that you like the best.

どちらも「あなたが一番好きな本について教えてください」という意味です。

注意:thatはすべての場合に使えるわけではありません。コンマの後ろで補足説明を加える形や、前置詞の直後ではthatを使えません。まずは、ここで扱っているコンマのない基本的な文で使えると覚えてください。

目的格のwhomとwhichをthatに置き換える例を示す教材図
人でも物でも、目的格の関係代名詞をthatに置き換えられる場合があります。

前置詞が関わる場合の注意

次の三つは、いずれも「私が話した人は私の先生です」という完全文です。

The person whom I spoke to is my teacher.

The person that I spoke to is my teacher.

The person I spoke to is my teacher.

前置詞toを文末に残す場合は、whomをthatに変えたり、目的格の関係代名詞を省略したりできます。

The person to whom I spoke is my teacher.

to whomのように前置詞を関係代名詞の前に置く場合は、whomをthatに変えたり、whomを省略したりできません。

目的格の関係代名詞を省略できる場合

目的格のwhom・which・thatは多くの場合省略できる

関係代名詞が節の中で動詞の目的語になっている場合、whom・which・thatを省略できます。前置詞を文末に残す形でも省略できますが、to whomのように関係代名詞が前置詞の直後にある場合は省略できません。

The writer whom I like is eighteen.

The writer that I like is eighteen.

The writer I like is eighteen.

三つの文は、いずれも「私が好きな作家は18歳です」という意味です。三つ目では、目的格の関係代名詞が省略されています。

目的格の関係代名詞whomやwhichを省略する手順を示す教材図
目的格の関係代名詞を省略しても、後ろの主語と動詞は残ります。

動画で確認:目的格の関係代名詞の省略

次の動画では、whom・which・thatが省略された文の作り方と、並べ替え問題での注意点を確認できます。

主格の関係代名詞は省略できない

省略できるのは、関係代名詞が目的語になっている場合です。関係代名詞自体が節の主語になっている場合は省略できません。

関係代名詞の役割 省略
The boy whom I met lives here. metの目的語 可能
The boy who lives here is my friend. livesの主語 不可

名詞+主語+動詞の並びを見つける

名詞の直後に「主語+動詞」が続いている場合は、目的格の関係代名詞が省略されている可能性があります。

The writer I like is eighteen.

  • The writer:説明される名詞
  • I:関係代名詞節の主語
  • like:関係代名詞節の動詞
  • is:文全体の動詞

The writer I likeまでを一つのまとまりとして捉えると、「私が好きな作家」と読めます。

The book you like the best is on the desk.

あなたが一番好きな本は机の上にあります。

the bookの直後にyou likeが続いているため、the book which you like the best、またはthe book that you like the bestの関係代名詞が省略された形だと判断できます。

Lesson10-2の補足:否定疑問文への答え方

ここからは、she・her・hersや関係代名詞とは別に、Lesson10-2で同時に扱われる否定疑問文を確認します。

動画で確認:否定疑問文のYesとNo

次の動画では、Didn’t you …?のような否定疑問文に対するYesとNoの考え方を解説しています。

否定疑問文に対するYesとNoの答え方を示す教材図
英語では、実際にしたならYes、しなかったならNoで答えます。

英語では実際の内容が肯定か否定かで答える

Didn’t you go to the party?

パーティーに行かなかったのですか。

英語では、実際にパーティーへ行ったならYes, I did.、行かなかったならNo, I didn’t.と答えます。

実際の状況 英語の答え 自然な日本語
パーティーへ行った Yes, I did. いいえ、行きました。
パーティーへ行かなかった No, I didn’t. はい、行きませんでした。

日本語の「はい」「いいえ」から先に考えると混乱しやすいため、まずdidなら「行った」、didn’tなら「行かなかった」と判断してください。

基本形:英語ではYesの後ろに肯定形、Noの後ろに否定形を続けます。Yes, I didn’t.やNo, I did.とはしません。

Lesson10-2 関係代名詞の目的格・省略と否定疑問文のまとめ

項目 内容
she / her / her / hers 順に、主格・所有格・目的格・所有代名詞です。
目的格のher 動詞や前置詞の対象を表します。「彼女を/彼女に」のほか、前置詞によって「彼女と」などと訳されます。
所有格のher her bookのように名詞の前に置き、「彼女の」を表します。
人を表す目的格 人を表す目的格の関係代名詞はwhomです。会話ではwhoが使われる場合もあります。
所有を表す関係代名詞 her fatherのように所有者を表すherは、関係代名詞ではwhoseにつながります。
物を表す目的格 物を表す目的格の関係代名詞はwhichです。
thatへの置き換え 目的格のwhomやwhichは、多くの場合thatに置き換えられます。ただし、thatを使えない形もあります。
目的格の省略 目的格のwhom・which・thatは多くの場合省略できます。ただし、前置詞の直後にある関係代名詞は省略できません。
省略の見抜き方 名詞の直後に主語+動詞が続いていたら、目的格の関係代名詞が省略されている可能性があります。
否定疑問文 実際にした場合はYes+肯定形、しなかった場合はNo+否定形で答えます。

確認クイズ(10問・選択式)

No. 問題 選択肢 解答
1 学校文法で、空所に目的格の関係代名詞を一語入れる場合、最も適切なものを選びなさい。
The writer ( ___ ) I like is only eighteen years old.
A. who
B. whom
C. whose
D. when
2 次の日本語とほぼ同じ意味になる英文を選びなさい。
「私が一番好きな本について教えてください。」
A. Tell me the book I like the best about.
B. Tell me about the book I like the best.
C. Tell me about I like the book the best.
D. Tell me about the book which I like best it.
3 次の選択肢の中から、省略されている目的格の関係代名詞として最も適切なものを選びなさい。
The writer I like lives in Canada.
A. who
B. whose
C. whom
D. which
4 下線部の働きとして最も適切なものを選びなさい。
The book you like the best is on the desk.
A. 名詞の前から説明している。
B. 名詞の後ろから「どのような本か」を説明している。
C. 文全体の主語になっている。
D. 時間を表している。
5 次のうち、関係代名詞を省略できない文を選びなさい。 A. This is the boy who lives here.
B. This is the boy whom I met yesterday.
C. This is the book which you bought yesterday.
D. This is the movie that we watched last night.
6 Didn’t you go to the party?と聞かれ、実際にはパーティーへ行った場合の英語と日本語の組み合わせを選びなさい。 A. Yes, I did.「いいえ、行きました。」
B. No, I didn’t.「はい、行きませんでした。」
C. Yes, I didn’t.「はい、行きませんでした。」
D. No, I did.「いいえ、行きました。」
7 空所に入る語を選びなさい。
( ___ ) likes music.
A. She
B. Her
C. Hers
D. Whom
8 空所に入る語を選びなさい。
This is ( ___ ) book.
A. she
B. her
C. hers
D. whom
9 次の文では、目的格の関係代名詞がどこに省略されていますか。
This is the movie I saw yesterday.
A. theとmovieの間
B. movieとIの間
C. Iとsawの間
D. yesterdayの後
10 空所に入る語を選びなさい。
This book is ( ___ ).
A. she
B. her
C. hers
D. whom

she・her・hersと関係代名詞のよくある質問

herは「彼女の」と「彼女を」のどちらの意味ですか。

どちらの意味にもなります。名詞の前では「彼女の」、動詞や前置詞の後ろでは「彼女を/彼女に、など」を表します。前置詞によっては「彼女と」などと訳します。

sheとherは文のどこを見れば使い分けられますか。

文の主語として動詞の前に置くときはshe、動詞や前置詞の対象として置くときは目的格のherを使います。名詞の前で「彼女の」を表す場合もherです。

herとhersの違いは何ですか。

herは後ろに名詞を置いてher bookのように使います。hersは「彼女のもの」を表すため、後ろに名詞を置きません。

herの後ろに名詞が来る場合と来ない場合の違いは何ですか。

her bookのように名詞が続く場合は、所有格のherです。I know her.のように動詞や前置詞の後ろにある場合は、目的格のherです。

I like her.のherは、なぜwhomになりますか。

herが動詞likeの目的語だからです。人を表す目的格の関係代名詞は、基本的にwhomを使います。

whoとwhomはどちらを使えばよいですか。

主語になる場合はwho、目的語になる場合はwhomが基本です。会話では目的格でもwhoが使われる場合がありますが、学校文法では役割を区別して覚えると判断しやすくなります。

目的格の関係代名詞はいつ省略できますか。

関係代名詞が後ろの節で動詞の目的語になっている場合に省略できます。前置詞を文末に残すThe person I spoke toのような形でも省略できます。ただし、The person to whom I spokeのように、関係代名詞が前置詞の直後にある場合は省略できません。また、節の主語になっている関係代名詞も省略できません。

The writer I likeのように関係代名詞がない文は、どう読めばよいですか。

名詞の直後に主語+動詞が続いているため、The writer whom I likeまたはThe writer that I likeと補って考えます。

否定疑問文のYesとNoは、日本語とどう違いますか。

英語では、実際の内容が肯定ならYes、否定ならNoを使います。Didn’t you go?に対し、行ったならYes, I did.、行かなかったならNo, I didn’t.です。

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