STAGE2 Lesson6-1 受動態【ニュートレジャーの道案内】

それではLesson6セクション1を見ていきましょう。
このLessonでは受動態という単元が登場してきます。
受動態と一言で言ってしまうと、下に書いたように「何々される」といった意味にする為に文の語順を入れ替えたり動詞の形を変えるといった単元になります。

まずこちらの例文を見て頂くと、「コロンブスがアメリカを発見しました。」という普通の文が書かれています。
これを受動態にします。
「される」に置き換える訳です。
そうすると日本語で考えると、「コロンブスがアメリカを発見した。」という事は、「アメリカはコロンブスに発見された。」といった形になります。
この受動態という文を作るには、手順が全部で3段階あります。
この3段階を踏んでいくと必ず受動態の文というのは作れるというものになります。
多くの方は、こちらの「be動詞+過去分詞」だけを覚えてしまいますが、これは非常に危険です。
最初の手順が実は一番大事です。
最初は、こちらの元の文の目的語を主語にするという手順があります。
こちらの文で見てみますと、目的語というのは動詞のあとにある「何々を」にあたるもの、こちらが目的語です。
この目的語を主語にします。
受動態の文の主語に置くというのが第一手順ですから、このアメリカという国をこのように文の先頭にもってきて、この受動態の文の主語にします。
この手順が第一手順です。
これをやらないで、いきなり”Columbus was discovered”とやってしまうと、「コロンブスが発見された」という意味になってしまいます。
まずはこちらの”America”を主語にもってきます。
そのあと動詞を「be動詞 + 過去分詞」という形にします。
ここで初めて過去分詞という言葉が出てきました。
過去分詞というのは、この”discover”のように”ed”を付けて過去形にするといった単語の場合ですと、このように過去分詞というのも”ed”を付けた形となります。
ここで混同してはいけないのが、この”discovered”単体で使われている時はこれは過去形なので、「発見した」という文になっていますが、こちらはbe動詞のあとに置かれています。
その場合、この”ed”というのは過去形ではなくて、過去分詞という違う形になっていて、この過去分詞とbe動詞が合わさると「何々される」とか「された」といった意味になってきます。
“ed”を付けて過去形にするものは過去分詞だろうが”ed”を付ければいい訳ですが、不規則動詞というのがあります。
例えば”speak”であれば過去形は”spoke”となりました。
そういった不規則動詞に関しては、過去分詞というのも不規則変化をします。
“speak”であれば”speak”の過去形が”spoke”、その過去分詞が”spoken”というふうに”n”が付いたりします。
不規則動詞はもう覚えるしかありませんので、教科書に出てきたものを一個ずつ”speak””spoke””spoken”のように原形、過去形、過去分詞で音読して覚えていきましょう。
手順に戻りますと、この場合は”discovered”、これが過去の文になっていますから、こちらのbe動詞も合わせて過去の形にして”was”とします。
もちろんここが現在の”discovers”であれば”is discovered”といった形にします。
このように振り返ると、まずは元の文、能動態の文の目的語を前、受動態の主語にします。
そのあとで「be動詞 + 過去分詞」の形にする。
そして最後に括弧を付けていますが、「誰々によって」というように誰がしたかが明確である場合は、”by”プラスその”discover”という行為を行った行為者を文末に置く、これが第3手順になります。
第1手順で前に出す。
第2手順で「be動詞 + 過去分詞」
第3手順で”by Columbus”という形で「誰々によって」となります。
そうすると、「アメリカはコロンブスによって発見されました。」と言った文が作れます。
このように、この①から③の手順を意識してその文法問題集等で受動態を作るという練習を行って下さい。

それでは次に③”by”を省略するとここに書いてありますがその行為者が必要でない場合、「by誰々」がいらない場合、それから否定文をどうやって作るのかという事に対して説明をしていきます。

早速こちらの例文を見て頂くと、”Coffee is drunk”ここに”drunk”という単語があります。
これは”drink”、「飲む」といった動詞の過去分詞になります。
そうすると、ここが「be動詞 + 過去分詞」になっていますから、「コーヒーは飲まれます」と言っていて、その後に”all over the world”「世界中で」とあります。
そうすると「コーヒーは世界中で飲まれています。」といった文になります。
「世界中で飲まれている」という事は誰によってというのをこの人と特定する事が出来ないですよね?
漠然とした「全員」だったりとか「人々」とか「皆」といったような単語、「その人たち」によってされるという場合は”by people””とか”by everyone”とかっていうのをわざわざ書かないで”by”以下というのは省略する形になります。

“Paper cups”
今度は”cups”、複数形になっていますからbe動詞も複数に合わせて、”are”といった形になっています。
そうすると、「紙コップというのは使われています」と、”in many coffee shops”「多くのコーヒーショップで」と書かれています。
そうするとこの文というのは「紙コップは多くのコーヒーショップで使われている。」です。
もちろんこれも特定の誰によってというのをわざわざ示す必要がないので、「by 誰々」というのは省略して単純にそれはコーヒーショップなんだからそのお客さんとか店員さんが使っていると明らかに分かる訳ですから省略してここで文を止めます。

“English is not spoken in this area.”
これはどうなっているかというと、もちろん”not”があるから否定文です。
受動態というのはbe動詞を使っていますので、否定文や疑問文の作り方というのはbe動詞を使った文と全く同じ考え方になります。
ですので、あえて公式化すると否定文を作る際というのは、be動詞があって”not”があって、そしてそのあとに過去分詞過です。
過去分詞というのは記号で「Vpp」と書く場合があります。
そうすると、「英語はこのエリア」「この地域では話されていません」となります。
これも誰によってとわざわざ言う必要がないです。
もちろん「この地域の人々によって話されていない」という事な訳ですから、そうするとここでも「by 誰々」というのは省略しています。
このように、わざわざ誰によってというのを言う必要がない場合ですとか、明らかに分かりきっている場合、店員さんとかそういった場合には“by”を省略するといった事項を覚えておきましょう。

それでは最後に疑問文について見ていく事にします。
先ほど、否定文や疑問文はbe動詞を使った文なのだから、be動詞のルールと全く同じであるという事をお話ししました。

ですので、この場合でも同様に、元々これは”Japanese comic books are”これは「read(リード)」ではなくて「read(レッド)」です。
「read(リード)」、「read(レッド)」「read(レッド)、”read”の過去分詞はスペルは同じですが「レッド」と言います。
そうすると「日本の」”comic books”、「漫画というものはニューヨークで読まれている」というふうに、元々はここに”are”があった訳です。
ここにあったはずの”are”というのが疑問文になっていて、疑問文はbe動詞を前に出すという操作で疑問文を作る事が出来ますから、疑問文が前に出ています。
疑問文の答え方に注意して頂きたいです。
この場合主語というのが、「日本の漫画」という形になっていて、ここが”books”と複数になっています。
ですから、「日本の漫画は読まれていますよ」という時に、”Yes, it is. “ではなくて、ものであっても複数形ですから、”itではなくて”they”です。
したがって、”Yes, they are”とか、”No, they aren’t”という形で答えます。
このように受け答えの文というのも、be動詞の疑問文、今まで学んできたbe動詞の疑問文と全く同じ形になっています。
なので、単数複数という所に注意すれば大丈夫かと思います。

最後です。
ちょっと応用的な事項になりますが、教科書の最後に載っているのが受動態は受動態でも”can”のような助動詞を伴う場合というのが載っています。
これがちょっと厄介になってくるんですが、基本的には手順通りにやっていきます。
例えば、教科書にはこの下の受動体の文のみが載っていますが、上には元に戻した能動体の文を書いてあります。

こちらを見て頂くと、”We can download”「私たちはダウンロードする事が出来ます。」「これらのe-books」、「電子書籍を」”for free”、これは「無料で」とか「タダで」といった意味になります。
なので、「私たちはこれらの電子書籍をタダでダウンロードする事が出来ます。」と書いてあります。
受動体にしていきます。
第1手順は目的語を主語にする、でした。
この文における目的語というのは、「これらの電子書籍を」にあたる”these e-books”になりますから、まずはこの”these e-books”を受動体の主語にしていきます。
このあとがポイントです。
先ほどまでの受動態というのは主語を置いたらもう「be動詞 + 過去分詞」という形にしていたんですが、今度は“can”という助動詞が入っています。
この”can”という助動詞はどうするかというと、助動詞に関しては何も変えないでそのまま書くというルールになっています。
ですので、”these e-books are””と書きたいですがそこをこらえて元の文に”canがあるから”can”を一旦挟んでおいてそのあとで「be動詞 + 過去分詞」といった語順にします。
“canというのは助動詞です。
助動詞のあとは動詞の原形にしなければいけません。
なので、”can downloaded”と書いてしまうと助動詞のあとなのに”ed”がきているからおかしいという事になってしまいますから、「be動詞 + 過去分詞」の形にする為に、be動詞の原形の”be”を置き、そのあとで”downloaded”とします。
こちらが過去分詞です。
このように、助動詞を伴う文を受動態にする場合は助動詞は変えない、助動詞のあとに「be + 過去分詞」この”be”というのはbe動詞という意味ではなくて原形の”be”を使う、ここがポイントとなります。
このように、単純に受動態を作る、「何々される」といった意味にするというのは手順に全て当てはめれば出来ますが、このように助動詞を伴う文、まずはここで助動詞は何も変えないという事を意識して進めて下さい。
また、この疑問文に関してですが、今はbe動詞を前に出すという作業だけで出来ましたが、このあとのセクション2では疑問詞を伴う疑問文というのが出てきます。
その際もかなり文操作が複雑になってきてしまいますので、この受動態という単元に関しては、形を覚えるというよりもどうやって操作をして文を作っているか、これを中心に学習していって下さい。
それでは、セクション1に関しては以上となります。