STAGE2 Lesson9-2 後置修飾(分詞の形容詞的用法)【ニュートレジャーの道案内】


それではLesson9セクション2を見ていきましょう。
このセクションではいよいよ分詞が登場してきます。
そもそも分詞とは何なんだっていう所と、前回のセクションで学習した後置修飾というもの、この二つを中心に進めていこうと思います。

分詞とは?

分詞と言いますと二種類ありまして、こちらに書いたような現在分詞”ing”を付けた形と、それから過去分詞という形の二つがあります。
現在分詞というのは、実は中学校1年生の際に一度出てきていて、「be動詞 + ing」で現在進行形という形がありました。
あの時に使っていた”ing”という形が、実は現在分詞という形です。でもそれは中1の時と同じ事なのかという話ですが、それはちょっと使い方が違います。

中1で学んだのは「be動詞 + ing」という事で、必ずbe動詞と”ing”セットで使われていました。ところが、今回の単元というのは「be動詞 + ing」のこのbe動詞の部分がなくて、”ing”単体で使うという使い方です。

同様にこちらの過去分詞というものも、be動詞+過去分詞で受動態「~される」というような意味合いだった訳ですが、今度はこれが過去分詞単体で使われますので、be動詞+過去分詞の受動態とは分けて考える必要があります。

どういう事かというと、まずはこちらの現在分詞から見ていきましょう。


こちらの現在分詞、こちらの現在分詞がまずどこですか?というと、”running”にあたります。

現在分詞は単体で使うと「~している」とか「~する」というような意味合いになります。
これがどういう機能をもつかというと、分詞とそれから名詞を隣接させる事によって、この分詞が名詞を修飾する、こういった機能をもちます。
そうするとこの文というのは、「その走っている男の子を見て下さい。」という形になります。

じゃあこれは今までの現在進行形と何が違っていたのかという事ですが、もしこれが「be動詞 + ing」で”The boy is running”であれば、当然順序、語順も変わりますし、訳す際に現在進行形であれば「~しているところだ。」とかあるいは「~している。」といって「。」が付いていた訳です。つまり現在進行形というのは、述語の部分だった訳です。

それに対して、今回学んでいる現在分詞というのは、この現在分詞のあとに名詞を付ける事によって「~している 名詞」というふうに、この「している」で終わるのではなくて「している」のあとが名詞になって、この名詞を修飾する機能がある。これが現在進行系との違いになります。

ですから、これでいうと”ing”ですから「している」というのが分かるので、「走っている少年を見て下さい。」というふうに感覚的にも理解出来る訳ですが、これがbe動詞が付いていないから名詞を修飾している。名詞を修飾する機能をもつ、こういった形で是非捉えて下さい。

そして同様に過去分詞です。
こちらの方が間違える確率が高いです。
過去分詞というのは、単体で使うと「~される」「されている」「された」というふうに受け身の意味を表します。
受身とか受動というと、受動態ですね。

be動詞+過去分詞と何が違うんだ、という話になってきますが、こちらも先ほどの”ing”と同じように、be動詞+過去分詞、be動詞が付くと「~される」という述語の部分にあたる訳ですが、この過去分詞単体で使うと名詞を修飾しますから、「~されるなんとか」名詞と続きます。

このように、be動詞+過去分詞であれば述語として使うので、「~される。」あるいは「~された。」という形で「。」で終わる訳ですが、名詞に隣接させると「~される名詞」「~された名詞」となります。

例えばこちらを見ると、”Look at the broken window.”とありまして、”broken”これが”break”の過去分詞です。”break”は「割る」とか「壊す」という意味があります。

そうするとこの”broken”が”window”と隣接していますから、そうするとこの形で「割られた窓」とか「壊された窓」というような言い方をします。

このように、まず“ing”を付けると現在分詞になる。そして過去分詞がある。それぞれ「している」という意味と、「される」「された」という意味がある。

それぞれを名詞のすぐ隣に隣接する事によって、これで「~しているなんとか」とか、「~されるなんとか」というような形で名詞を修飾させましょうというのがこの単元の主なトピックになります。


分詞が一語で名詞を修飾する場合

セクションの最初の方でお伝えしたように名詞に隣接させる訳ですが、その分詞というのがこちらです。


“rise”は「登る」とか「上がる」という意味ですから、これは”rising sun”と名詞に隣接させます。
そうすると、「登っている太陽」つまり「日の出」の事です。

これがどの位置にあるかというと、”the”があって”ing”があって名詞があってという語順になっていますから、分詞というのは基本的に形容詞と思って使って下さい。

つまり、”beautiful”だったり”tall”だったり、そういった形容詞と全く同じ位置です。
ですから、”a”とか”the”よりも後ろにあって、名詞よりも前の位置、ここにおいて「登っている太陽」というような形で捉えます。

この文を訳してみると、”We got up early”「私たちは早起きしました」、”to see the rising sun”「日の出を見る為に」「登っている太陽を見る為」、そして”New Year’s day”ですから、「元旦に」という事です。

そうすると、「私たちはお正月」「元日に日の出を見る為に登っている」「太陽を見る為に早起きしました」というような意味になっています。

それでは次です。今度は過去分詞について見ていきます。最初は”Which would you like”「あなたはどちらがいいですか」「どちらが好きですか」と言っていて、今度はこちらが”ing”ではなくて過去分詞になっています。

“boil”は「茹でる」です。”boiling”でも「卵が茹でられている」って考えるだけじゃなくて、あったまっているから”ing”でもいいんじゃないか、というふうな感覚があるかも知れないですが、あくまでここの訳を変えちゃダメです。

“boil”は「茹でる」ですから、そうすると”boiling”にしてしまうと「茹でている卵」となってしまって、それは「卵が何かを茹でている」という事になってしまうんです。

ですので、ここは卵は茹でられる方なので過去分詞にします。

この過去分詞が先ほどと同様に名詞を修飾しますので、「茹でられた卵」「茹でられている卵」、つまり「ゆで卵」と言いたい訳です。

日本語だと「ゆで卵」なので別に”boiling”でも通じそうな気がしますが、あくまでこの修飾している名詞を基準に考えて、ここの名詞がしているのか、ここの名詞がされているのかという事を考える必要があります。

確かに「太陽」というのは「登られる」のはおかしいですし、「登っている」です。「太陽」は登る側ですから、こちらは”rising”になって、「卵」というのは茹でられる側ですから”boiled egg”という形になります。

分かりやすいのは、例えばフライドチキンとかフライドポテトってあると思います。フライドチキンの”fried”には揚げるという意味があります。

そうすると、もちろん「鶏肉」が揚げられている訳ですから、だからこれ”frying chickenではなくて”fried chicken”と言う訳です。

これと同じような原理で卵が粥でられた側になるので、”boiled egg”となります。
そしてこちらの方も、”scrambled egg”と言っています。
ここも”scrambled”と言っています。

そうするとこれは「かき混ぜられた」というか「炒られた」という意味です。ですから”scrambled eggs”「炒り卵」の事になる訳ですが、ここも卵というのは調理される側な訳ですから、”scrambling”ではなくて、”scrambled”というふうに過去分詞にすします。

三つ目はむしろ分かりやすいと思います。三つ目に関しては”The police officer found”「その警官は見つけました」、何を見つけたかというと、”stolen bike”、”stolen”は”steal”「盗む」の過去分詞です。

当然「bike」というのは盗む側ではなくて盗まれる側になる訳ですから、この場合は「盗まれたバイク」になります。そうすると、「その警官は盗まれたバイクをそこで見つけました。」というような意味になります。

このように、今”ing”現在分詞と、それから過去分詞の二つのパターンを見てきました。この“ing”にするのか、過去分詞にするのかという区別が第一関門としてあって、それはどういうふうに考えていたのかというと、修飾する名詞です。修飾する名詞に「が」を付けて考えます

例えば先ほどであれば、この卵が茹でるんじゃなくて卵が茹でられるですから、そうするとこの名詞というのが「するのか」「されるのか」その名詞がする側であれば現在分詞”ing”になりますし、その名詞がされる側なのであれば過去分詞となります。

バイクが盗まれる側なので過去分詞、太陽が昇る側なので”rising”こういった形で区別をして下さい。


最後の山場

先ほどは”ing”の現在分詞か過去分詞かを区別するという事をメインに進めてきましたが、今回はその”ing”か過去分詞かを区別した上で、さらに名詞の直前に分詞を置くのか、名詞の直後に分詞を置くのかという事を見ていきます。

先ほどまで見てきた文というのは、全て分詞を一語で使っている場合です。

「登っている太陽」とか「割られた窓」とかという形だったんですが、今度は分詞の意味の塊が二語以上の場合を見ていきます。

二語以上の分詞句と書きましたが、その分詞の塊が単語の数二語以上になりますと、今度は名詞の後ろにその分詞の塊を置きます。これが非常に厄介です。

こちらが”The girl”「少女」がありますが、どうしてもここだけ見ると「女の子が座っている」と読みたくなってしまうんですが、ここにbe動詞がないです。

be動詞があれば進行形になる訳ですが、be動詞がないのでここの”ing”現在分詞というのは隣接する名詞を修飾します。

さっきだったら”sitting girl”「座っている女の子」と書いていた訳ですが、今度は”The girl”のあとに”sitting on the left side”というふうに、分詞が後ろにきています。

名詞の後ろに分詞があるという事は、この分詞の塊が二語以上ですよという事を表しています。

どういう事かというと、この”on the left side”「左側に」という前置詞+名詞がこの”sitting”を後ろから修飾しています。

分詞の塊の中にもう一個動詞が入るという事は絶対にあり得ないので、この”sitting”の塊というのはここまでであるという事が分かります。

そうすると、この塊全体が「左側に座っている」という意味になって、この「左側に座っている」という塊全体が直前の”The girl”という名詞を修飾しています。そうすると、この文というのは「左側に座っている女の子はリサです。」というような意味になります。

間違える可能性としては、例えばこれが”sitting girl on the left side“のように書いてしまう答案というのが毎年多く見られます。

あくまで「左側に座っている女の子」と言った時の「左側に座っている」というのを括弧でくくって塊として見て、その塊が二語以上だったら必ずこの塊というのは分詞から始めます。

なので、”on the left side sitting”というふうに「左側に座っている」のように日本語のような語順で書くのではなくて、分詞の塊は必ず分詞から始める。分詞から始まる二語以上の塊は、必ず名詞の直後に置く。

この事を是非意識して下さい。

同様にこちらです。”Who was the tall boy”「あの背の高い少年誰ですか」といったこの名詞の直後に”ing”があるので、これはどうやら二語以上の塊が右から左を修飾しているらしいという事を判断し、そのあとでまた”in the schoolyard”「校庭で走っている」ですから前置詞+名詞は右から左を修飾します。

こう修飾しているという事は繋がっているという事ですから、この”running in the schoolyard”で一つの塊を作っています。

そうすると、この塊全体が”tall boy”を修飾しますから、そうするとこれを訳してみると、こうやって訳しますから「校庭で走っているその背の高い男の子は誰ですか?」といった形になります。

ポイントは、今二つ現在分詞の文を見てきた訳ですが、現在分詞の置かれている位置に注目して欲しいです。どちらの方がより間違いやすいかというと、上の方が間違いやすいです。

これを下手にルール化してしまうと危険でして、この二つ目の”Who was the tall running the schoolyard?”というのを見てしまうと、なんか”ing”とか過去史を文末に置くんだと見てしまう人がたまにいますが、それは間違っています。

実際この文では文末ではなくて主語の位置に置かれています。じゃあこれはどういう事かというと、とにかくこの分詞が修飾している名詞、この修飾している名詞の直後に置くという発想が凄く大事です。

ですので、この分詞という単元は訳すだったら何とか出来るんです。”ing”が過去分詞かを判断するというのも、名詞に「が」を付けていけばいい訳ですが、問題は並べ替えの英作文だったりとか和文英訳です。

英文を構成する際に、この分詞をどこに置くかというのが非常に大事になりますから、二語以上の分詞の塊というのは、修飾する名詞の直後というのを強く意識して下さい。
これを、また過去分詞でも同様に見ていきます。

そうするとまず”I love the meals”「私は食事が大好きです」、そのあとで”served”とあります。”meals”が名詞です。そのあと、”served”これが過去分詞です。

そうすると、名詞の後ろに分詞がありますから、そうするとこれは二語以上の塊になっているという事が分かりますので、ここまでで一塊です。

「学校でservedされる」”served”は「奉仕する」とか「出す」という意味です。「食事を提供する」というような意味合いです。

そうすると、この塊全体が直前の名詞を修飾しますから、「私は自分たちの学校で出される食事が大好きです」、要するに「学校の給食が好きです」という事を言いたい訳です。

当然先ほどの復習になりますが、”meals”「食事」というのは食事が出すんじゃなくて食事が出される訳ですからここは過去分詞になっています。

それでは最後こちら”Everybody saw the figure”「全員がそのフィギュア」”figure”は「人物」「形」「グラフ」など色々な意味があります。

とにかく「それが何か書かれた」と言っていて、ここの”figure”、これがありまして、もちろんここが”drawn on the board”これで一塊になっています。

ここの”drawn”というのが”draw”「描く」とか「書く」の過去分詞になっています。先ほどと同様に、前置詞+名詞が右から左を修飾します。

そうすると、この塊自体がまた直前の名詞を修飾する訳ですから、「全員がそのボード」”black board”「黒板」のようなものでしょうか。「その黒板」だったりとか「そのボードに描かれた」その”figure”「形」とか「その絵を見ました」というような形になります。

このように、分詞というのは繰り返しになりますが、現在分詞か過去分詞かの区別、それからその分詞を名詞の前に置くのか後ろに置くのかの区別、その区別が出来た上で今度はこれらの英文を英語で書くというような問題になった際に練習がどうしても必要になります。

ですから、是非付属の問題集とかを使ってたくさん解いて練習して頂ければと思います。それではセクション2に関しては以上となります。