STAGE2 Lesson10-2she / her / hers が一気にわかる!──代名詞の格変化と関係代名詞の目的格【ニュートレジャーの道案内】
セクション1では、関係代名詞の 主格 を使いました。
そしてこのセクション2では、目的格 を扱っていきます。
主格と比べると目的格の方が難しく、ミスが出やすいので、まずは主格を確実に書ける状態にしてから目的格に進んでください。主格があいまいなまま目的格に進むと、ルールが混ざってしまい混乱の原因になりますので注意しましょう。
では、主格と目的格の違いについて見ていきます。
主格の関係代名詞と異なる点は、こちらに書いた三つです。

この三つの特徴というのをそれぞれ説明していますので、その特徴について慣れるとともに、実際に自分で手を動かして慣れていって下さい。
さっそく例文で見ていきましょう。
“The writer is only eighteen years old.”
「その作家はまだたったの18歳です。」
その次に”I like her.”、「私はその作家が好きなんです。」という文があります。この二つの文を関係代名詞を使って一つにしていきます。
その際に、まずは手順1です。同一人物を見付ける。
まずこれがあります。
手順2です。代名詞を関係代名詞に変えます。
ここは”she””her””her””hers”とあった時の、ここの”her”というのは動詞のあとにありますから、”she””her””her”で3列目にあたる訳です。”I”だったら”I””my””me”3列目です。
という事は、その3列目というのが目的格になりまして、関係代名詞というのは前回のセクションでもお伝えした通り、“who””whose””whom”という変化をします。
ですから、ここの代名詞の形が3列目の目的格にあたりますので、関係代名詞も目的格にする必要があります。
話し言葉ではここは”who”でもよいという事になっていますが、最初の段階ではもちろん書き言葉も学んでいる訳ですから、目的格に合わせて”whom”にする、と捉えて下さい。
主格の場合はここに、最初に主格の関係代名詞があったので特に何もいじらずこの重複する名詞に付けた訳ですが、目的格の場合はそこに一つ手順が加わります。
これを見ますと、”whom”というのがこの節の先頭に出てきている訳です。
これが主格の場合は主語だからそもそも最初にあったので気にしなくてよかった訳ですが、目的格の場合は”whom”に変えて、且つこの関係代名詞の塊の先頭に出すという操作が加わります。
ここが第一段階としてちょっと厄介な所です。
②として”that”で置き換える事が出来ます。これは先ほどのセクション1で学んだ主格と同じです。
ですから、こちら見て頂くと、”whom”と書いてありますがこれは括弧して”that”、つまり”that”で代用する事が出来ますという事になります。

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それではもう少し詳しく、同じ手順を繰り返していく事によってこの関係代名詞の目的格に慣れていきましょう。

最初、先ほどと同じような文になっていますが、慣れる為に復習の意味で見ていきましょう。
重複する名詞、同一人物を指す名詞を探します。代名詞を関係代名詞に変えます。
ここが”she””her””her”の3列目、目的格になっているので関係代名詞も目的格にします。
そして、この塊の中で関係代名詞の目的格というものを先頭に出してくる必要がありますから、こちらのように”whom”を先頭に出します。そして、重複する名詞の直後に置きます。
そうすると、このように右から左を修飾しますから、「私が好きな作家はまだたったの18歳です。」という訳になってきます。
当然ここは”thatにする事も可能ですが、練習の段階では”who”なのか”whom”なのかという所が区別出来る必要がありますから、まずは一旦”whom”で覚えておいて下さい。
“Tell me about the book.”
今度は人ではなくてものになりました。
“the book”と”You like it the best”、”it”こちらが同じものになっていますので、第1手順は終わりです。
第2手順として、代名詞を関係代名詞に変えます。
当然ここは目的格になる訳ですが、ものの場合、人以外の場合は”which””whose””which”という形でしたので、ここの”it”というものを”which”を変えます。
そして、この関係代名詞を含む塊の先頭に”which”を出して、重複する名詞の直後に置きますから、そうするとこうなりまして右から左を修飾します。
そうすると、「あなたが1番好きな本」となる訳ですから、全体を訳してみると”Tell me”「私にあなたが一番好きな本について教えて下さい。」と「話して下さい」というような意味になります。

それでは次に”that”で置き換えられる場合と書きました。
先ほどとほぼ同じような構成にして、ここを”that”に出来たな、というのを確認しましょう。繰り返し同じ手順にはなりますが、”The writer””her”同じ同一人物を探しました。
そしてここの”I like her.”ここの”her”の所です。先ほどは慣れる意味で”whom”にしましょうと言いました。
今度は目的格だから”that”に変えられるな、という考え方もあって、こちらの塊の先頭に”that”をもってきます。
同一人物を指す先行詞の直後に関係代名詞の塊を移動させて、そしてここは”that”のままにします。
そうすると「私が好きな作家はたったの18歳です。」となります。
訳質に関しましては”whom”だろうが”that”だろうが変わりはありませんので、この場合は普通に右から左に掛けて訳していきましょう。
そして下の文です。これも先ほどと同じですが、”the book”と”it”、これが被っているのが分かります。
ここの”it”というのか”which”になったり”that”になったりします。目的格は”that”でも代用可能でした。
そしてこの重複する名詞、先行詞の直後に関係代名詞の塊を置いて、ここの”which”というのは”that”でも代用可能ですという事です。
訳に関しては先ほどと同様に、「あなたの一番好きな本について私に教えて下さい。」という形になります。

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それでは先ほどまで触れてこなかったルール、関係代名詞の目的格は省略が出来るというルールについて見ていく事にします。
この、省略出来るというのが実は後々結構大変な事になってきまして、省略出来るというルールのせいで並べ替えの問題というのがちょっと難しくなってしまうんです。
且つ、省略出来るというルールがありますが、関係代名詞がないとやはり省略されているものを見抜くというのが大事になってきますので、その見抜き方や注意点に関しても触れていきたいと思います。

先ほどまでと同じ例文を使って説明します。
どういうルールかですが、重複する名詞、同一人物を指す名詞を見付けました。代名詞を関係代名詞に変えます。”whom”です。
そして、この塊の先頭に”whom”を出した訳ですが、ここが元々関係代名詞が”her”という目的格でした。
そうすると、ここの目的格というのは省略出来るというルールが今書かれていますから、この“whom”を書かなくていいという事になるんです。
“I like her”.の中の、”her(whom)”というものが消えるので、”I like”だけになって、そうすると結果としてこの”I like”という塊だけを”The writer”のあとに付けられます。
そうすると、本来はここのところに”whom”あるいは”that”あった訳ですが、目的格は省略出来るというルールがあるので、ここを省略しています。
訳し方は関係代名詞がある場合も省略される場合も同じですから、これで「私が好きな作家はたった18歳です。」となります。
同様に、先ほどまで見ていたこちらの文ですが、ここでも同じような事が起こります。
本来はこちらの塊の中の”it”というのを”which”あるいは”that”に変えていく訳ですが、元々目的格だったので、この変えた先の関係代名詞の”which”も書かなくてよい、省略してよいとなります。
この塊の”it””which”を省いたものをそのまま先行詞にくっつけます。そうすると、「あなたが一番好きな本について教えて下さい。」という意味が出来ます。
これだけ聞くと、そこまで難しくないんじゃないかと見えてしまいますが、実際に並べ替えの英作文を解いてもらうと、”I like the writer is”みたいに書いてしまいます。
「私が好きな作家」これは日本語と英語で語順が違うんです。
日本語だったら「私が好きな作家」というふうにそのまま左から右を修飾しますが、英語でこれを見ると”The writer I like”というこれで一つに見なきゃいけません。
日本語だったら「私が好きな作家」と左から右です。英語だったら「私が好きな作家」と右から左となっていますから、ここの語順についてはしっかりと練習する必要があります。
また、英検ですとか文章を読解する時に、これを半分公式化してしまうと、名詞があってそのあとに主語、動詞がくる場合、大体この場合関係代名詞がここに省略されている事が多いです。
名詞、名詞、動詞と覚えても構わないですが、名詞+SV、名詞+主語、動詞というのを見たら、これは目的格が省略されていると捉えて下さい。

Lesson10のセクション2のextraと書きましたが、これは関係代名詞からちょっと離れまして、このセクション2は目的格というものと、それから否定の疑問文というのが同時に出されてしまっているんです。
なので、否定疑問文、我々が非常に勘違いしやすいというか、間違えやすいという所になりますからこれについても説明していこうと思います。
まずはこちらの例文見て下さい。
“Didn’t you go to the party?”
変な形ですね。”Did you”じゃなくて”Didn’t you”という形になっています。
これは何を聞いているかというと、”not”は否定ですから「あなたはパーティーに行かなかったんですか?」という文になっています。
我々の感覚でいうと、「行かなかったんですか?」に対して「はい」と言ったらそれは「行かなかった」という事になる訳ですが、英語ではそのルールが違います。
例えば”Did you”で聞かれようが”Didn’t you”で聞かれようが”Yes”だったら”Yes, I did.”、”No”だったら”No, I didn’t”です。
日本語の感覚でいうと、「はい、行きませんでした。」だから”Yes, I didn’t.”と書きそうになりますが、“Yes”があったらそのあとは肯定の形、”No”があったらそのあとは否定の形になります。これがもうルールで決まってしまっています。
そうすると、じゃあどっちがどっちなんだというのが分からなくなってしまいますが、これは元に戻すという事をお勧めします。
つまり、ここの”did”はそもそも何か、という話ですが、これは動詞の代わりで使われています。
これは元の文に”go”「行く」という動詞がありますから、その「行く」という動詞の代わりとして使われています。
この”did”というのは”went”の意味なんです。”I went”と言っているという事は、この人は「パーティー行った」訳です。
という事は、「行った」のか「行かなかった」のかでいうと、「行きました」になる訳です。
これを日本語で訳すと、「はい、行きました。」というと、「パーティー行かなかったんですか?」「はい、行きました。」となるのはちょっとおかしくなっちゃう訳です。
ですから、”Yes”とは書いてありますが、いきなりこれを「はい」と訳すのではなく、こちらの方を見て肯定の形になっているからこの人は行ったんだという事が分かります。
という事は、これを訳すと「いいえ、行きました。」になる訳です。
「パーティー行かなかったんですか?」
「いやいや、行きましたよ。」
というような会話になります。
ここが日本語と英語でルールが違う、ルールが違うものに対して我々の日本語の使い方をそのまま当てはめてしまうと真逆の意味になってしまいますから注意が必要になる訳です。
そして、下の文です。
“No I didn’t.”とあります。
“No”があったら必ず否定の形にしないといけません。”didn’t”で終わっていますが、元々そのあとに何があったかというと、”I didn’t go to the party.」というのがあった訳です。
これを訳すと、「私はパーティーに行きませんでした。」となります。
これを日本語に訳して下さい。
「パーティー行かなかったんですか?」
「行きませんでした。」
「行きませんでした。」という事は、日本語で答える際には「行かなかったんですか?」「はい、行きませんでした。」となる訳です。
ちょっとややこしくなってしまいますから最初に”Yes”と”No”を訳すのではなく、後ろの方が肯定なのか否定なのかという所を見て、まずこちらの方を訳しましょう。
じゃあ、行かなかった場合日本語だったらなんて言うかというと、これは「はい」になります。
こちらも同様に、まず行ったか行かないかでいうと行きました。その行きましたと答える為に、日本語に訳すとそれは「いいえ、行きました。」となる訳です。
このように、否定で聞かれた際の受け答えというのはここを見て肯定なのか否定なのかという形で考えます。絶対に”Yes, I didn’t.”とか”No I did.”という形はありません。
ですので、まず答えとして「Yes+肯定」か「No+否定」しかありません。
そうしたら肯定で一旦訳してみて、という事は否定で聞かれているから「いいえ、行きました。」にしなきゃいけないなというような形で考えましょう。
とにかく「何々じゃないんですか?」とか「行かなかったんですか?」のように、否定の形で疑問文を聞かれたら、”Yes””NO”の後ろを見て、その内容が肯定的な内容であれば”Yes”を使う。否定的な内容であれば”No”を使う。というようなルールになっています。
なので、このルールを練習するつもりで問題集で練習して下さい。
Lesson 関係代名詞(目的格・省略)+否定疑問文 まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主格と目的格の違い | ・主格は「その節の主語」になる関係代名詞(who / which / that)。 ・目的格は「動詞や前置詞の目的語」になる関係代名詞(whom / which / that)。 ・まずは主格をしっかり書ける状態にしてから目的格に進む。 |
| 目的格への変換手順(人) | ・2文を見て「同一人物(先行詞)」を探す。 ・代名詞の列を確認し、3列目(目的格:her / him / me / them など)なら関係代名詞も目的格にする。 ・人の場合:who → whose → whom のセットを意識し、目的格は whom(話し言葉では who も可)。 |
| 目的格への変換手順(物) | ・物の場合は which / whose / which のセット。 ・目的格の it, them などに対応するのは which。 ・that は主格のときと同様に、目的格でも who / which / whom の代わりに使える(人+物が混ざるときなど)。 |
| 語順(右から左に修飾) | ・日本語: 「私が好きな作家」=「私が好きな」+「作家」(左→右で修飾)。 ・英語: The writer (whom / that) I like のように「名詞 → 関係代名詞節」で右から左に修飾するイメージを持つ。 |
| 目的格の省略 | ・目的格の関係代名詞は省略できる(主格はダメ)。 ・The writer (whom / that) I like is … → The writer I like is …(whom / that が消えてもOK)。 ・The book (which / that) you like the best … → The book you like the best …。 |
| 省略の見抜き方 | ・名詞 + 主語 + 動詞 という並びを見たら「目的格の関係代名詞の省略」を疑う。 ・例:The writer I like is … → writer(名詞)の直後に I(主語)+ like(動詞)が来ているので、 「writer (whom / that) I like」と補って考える。 |
| that での置き換え | ・目的格でも多くの場合、whom / which を that に置き換え可能。 ・The writer that I like … / The book that you like the best …。 ・訳は whom / which を使った場合と変わらない。 |
| 不規則動詞と did のルール(復習) | ・leave → left / drink → drank / make → made など、ed を付けない過去形=不規則動詞。 ・否定文・疑問文では did / didn’t を使い、動詞は原形に戻す。 ・例:I drank coffee. → I didn’t drink coffee. / Did you buy a comic book? |
| not+any と No の関係(復習) | ・not と any がセットになると「一つも〜ない / 全く〜ない」という全否定のニュアンス。 ・There are not any traffic lights.=There are no traffic lights. のように書き換え可能。 |
| 否定疑問文の答え方(Didn’t you …?) | ・Didn’t you go to the party?=「パーティーに行かなかったの?」と聞いているが、 Yes / No のあとは形(did / didn’t)で判断する。 ・Yes, I did. → 実際には「行った」 ・No, I didn’t. → 実際には「行かなかった」 ・英語では「Yes+肯定形」「No+否定形」しかないので、 日本語に訳すときは「いいえ、行きました」「はい、行きませんでした」になることに注意。 |
確認クイズ(10問・選択式)
| No. | 問題 | 選択肢 | 解答 |
|---|---|---|---|
| 1 | 空所に入る最も適切な関係代名詞を選びなさい。 The writer ( ___ ) I like is only eighteen years old. |
A. who B. whom C. whose D. when | |
| 2 | 次の日本語とほぼ同じ意味になる英文として正しいものを選びなさい。 「私が一番好きな本について教えてください。」 |
A. Tell me the book I like the best about. B. Tell me about the book I like the best. C. Tell me about I like the book the best. D. Tell me about the book which I like best it. |
|
| 3 | 次の文には、目的格の関係代名詞が省略されています。 省略されている単語として最も適切なものを選びなさい。 The writer I like lives in Canada. |
A. who B. whose C. whom D. which | |
| 4 | 下線部の語順の説明として最も適切なものを選びなさい。 The book you like the best is on the desk. |
A. 名詞の前から左→右に修飾している。 B. 名詞の後で、右→左に「どんな本か」を説明している。 C. 文全体の主語になっている。 D. 時間を表す副詞句である。 |
|
| 5 | 次のうち、目的格の関係代名詞を省略できない文はどれですか。 | A. This is the boy (who) lives here. B. This is the boy (whom) I met yesterday. C. This is the book (which) you bought yesterday. D. This is the movie (that) we watched last night. |
|
| 6 | 否定疑問文への答え方として、意味が正しい組み合わせを選びなさい。 Didn’t you go to the party? (実際には「行った」場合) |
A. Yes, I didn’t. 「はい、行きませんでした。」 B. No, I did. 「いいえ、行きました。」 C. Yes, I did. 「はい、行きました。」 D. No, I didn’t. 「いいえ、行きませんでした。」 |
|
| 7 | 次の英文を完成させるのに最も適切なものを選びなさい。 「昨日そのケーキを作った人は誰ですか。」 Who ______ this cake yesterday? |
A. did make B. made C. did made D. makes | |
| 8 | 次の文とほぼ同じ意味になるように ( ) に入る最も適切な語を選びなさい。 I didn’t drink ( ___ ) coffee this morning. 「私は今朝コーヒーを一杯も飲みませんでした。」 |
A. some B. many C. any D. a | |
| 9 | 次の語句を並べかえて文を作るとき、関係代名詞が省略されている位置として最も適切なところを選びなさい。 the movie / I / yesterday / saw / . |
A. the movie I saw yesterday. B. the movie that I saw yesterday. C. the movie which I saw yesterday. D. the movie I saw yesterday that. |
|
| 10 | 次のうち、did のあとの動詞の形が正しい文を選びなさい。 | A. Did you bought a comic book? B. Did you buy a comic book? C. Did you buying a comic book? D. Did you buys a comic book? |


