STAGE2 Lesson10-3関係代名詞 that が好まれる場合まとめ|which との違いと all/anything のルール

このセクションでは、これまで学んできた関係代名詞の中でも、少し特殊なケースを扱います。

これまでは主格・目的格を学習し、どちらも “that” に置き換えられる というルールがありました。

今回のセクションでは、その逆のパターン、つまり “who” や “which” ではなく “that” が好まれる場合 について見ていきます。

先行詞によって、「”that” を使ったほうがよい」「”who” や “which” でよい」という使い分けが変わります。”that” が適切な場合をすべて細かく覚えるのは大変なので、ポイントをまとめながら、具体的な例文で確認していきましょう。

関係代名詞thatが好まれる場合:先行詞30秒チェック

“that” は who / which の代わりに使えることが多いですが、先行詞しだいで「that が好まれやすい」場面があります。
ここではまず、好まれる(推奨)と、that 一択(人+物など)を分けて整理します。

迷ったら、先行詞に「目印の語」が入っているかを先に確認してください。

先行詞の特徴(目印) thatの扱い 代表例(英) メモ(よくあるミス)
序数(first / second / last など) 好まれる This is the first novel that she read in English. which でも通じることはありますが、試験では that に寄せるほうが安全です。
最上級(the best / the largest など) 好まれる This is the best movie that I have ever seen. “最上級が入っている” だけで候補を絞れます。
限定語句(only など「唯一」を強く示す) 好まれる This is the only money that I have. 限定のニュアンスが強いほど that が選ばれやすいです。
全体表現(all / every) 好まれる All the books that I am reading are interesting.
Every song that she sings is beautiful.
語順もセットで:all + the / 所有格 + 名詞(All the books / All my friends)。
the all books にならない点は要注意です。
-thing(something / anything / nothing / everything) 好まれる I remember anything that she said then. 「thing が入っているか」で判断できます(which で迷いがちなところ)。
人+人以外(例:the boy and the dog) that 一択 Look at the boy and the dog that are running there. who は人、which は人以外なので両方はカバーできません。be動詞は複数(are)になりやすい点も確認。

which / who と迷う人向け:最短の見分け方

  • 先行詞に first / best / only / all / every / -thing が入っていたら、まず “that” を優先して考える。
  • 先行詞が 人+物(動物) のセットなら “that” が基本的に一択。
  • all の語順(all + the / 所有格 + 名詞)も、ついでにここで固めておく。

このあと本文で各パターンを例文で確認し、ページ下部の「まとめ&クイズ」で“迷わず選べるか”をチェックしてみてください。

英作文で得点を上げるための典型文フレーズ(例:

①は先行詞が序数の場合です。序数というのは、これは順序の序という漢字を使っていますから、1番目とか2番目とか最後とか、何番目というような順序に関する数が書かれている場合です。

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例えばこちらです。”This is the first novel”、この先行詞の中に序数が含まれています。

その場合は、この関係代名詞の塊のこの部分、こちらは”which”を使うよりもここに序数があるので”that”を使う方が好まれます。

訳に関しては当然右から左という関係代名詞のルールは変わりません。

そうすると、「これは彼女が初めて英語で読んだ小説です。」というように、訳す時は当然右から左となります。

このように、この”first”とか”second”、あるいは”last”、「最後」のように順序を表す語句がある場合は関係代名詞は”that”を使うというルールになります。

また、同様に最上級に関しても同じ事が言えます。

この先行詞の中に”This is the vest movie”と”vest”という最上級があります。その場合はこの関係代名詞の塊の中の、この関係代名詞は”which”ではなくて”that”を使うという事が多いです。

訳してみると、「これが私が今まで見た中で一番いい映画だ。」となっています。

“ever”は肯定文で使う事も出来まして、これは「今まで」とか「今までに」というような意味になっています。そして今みたいに序数、最上級があれば関係代名詞は”that”になりますが、もう一つあります。

限定語句と書きました。ちょっと難しい言い方になりますが、ある特定の名詞とか意味を強調するような語句の場合です。

例えばこれで言いますと、”This is only money”「これが唯一のお金だ」というちょっと強調するような語句です。
この強調するような語句があった場合は、ここの関係代名詞というのが”which”や”whom”ではなく”that”を使うという事になります。

こちらに関しては、順番とか何番目と最上級。”only”のような限定語句というのは数は少なくなりますから、これは出てきたその都度、”only”の時は”that”を使う方がいいんだな、というふうに覚えていって下さい。

 

それでは”that”が好まれる場合の②番を見ていく事にします。

次は先行詞の中にこちらに書いてあるように、”all”とか”every”のような全体表現がある場合です。

「全て」というような意味を含む場合、この場合は”that”が好まれます。

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“all”が入っています。”All the books”「全ての本」となっています。

この“All”というのがある場合、この関係代名詞というは”that”を使う事が多いです。

なんですぐに分かるかというと、関係代名詞を使った文というのは元々二つの文を一つの文に繋いでいます

という事は、文というのは必ず主語と動詞がある訳ですから、ここに主語と動詞があります。

そうすると”are”というのも動詞です。

“am reading are”と繋がるはずがないので、文の途中で関係代名詞が始まった場合、二つ目の動詞が出てきたら、その二つ目の動詞の直前までが関係代名詞の塊であるという事が分かります。

そうしますと、これは「私が今読んでいる全ての本は面白い。」となります。何冊か読んでいて、その全ての本は面白いと言っています。

ちなみに、”All”というのは語順が非常に大事でして、ここに”All the books”と書いてありまして、”The all books”とは書いていません。

この”All”というのは、「All+the」や”my”のような所有格、そして名詞、こういった順番になります。

ですから、この機会に”All”があったら”that”を使うという事以外に、「All the 複数形」とか、「All 所有格複数形」という形の語順も是非覚えて下さい。

それから、今”All”を見ましたが、同じように”every”というのもあります。

“every”というのは単数扱いですから”songs”ではなく”song”で終わります。

こちら、”that she sings”とありますから、そうするとこれ”every”があるから”which”じゃなくて”that”を使います。ですからこれは、「私は彼女が歌う全ての曲を知っている。」といった意味になります。

このように、「全て」を表す語句が先行詞に含まれている場合、関係代名詞は”that”にするというルールになります。

それでは”that”が好まれる場合の最後です。③と④に関して見ていきます。
③に関しては、先行詞が「~thing」と書きました。
“something”とか”anything”とか”nothing”です。

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こちらを見ますと”anything”があります。

“anything”は肯定文で使われると、「どんな何々でも」「どんな事でも」というような意味になります。

そうすると、「私はどんな事でも覚えている」となり、そのあとが”that she said then”となっています。”anything”と”thing”が入っているので”which”ではなく”that”を使います。

そうすると、右から左に訳していくと、「私は彼女がその時言った全ての事を覚えている。」という意味になります。

最後です。先行詞が人+人以外の場合とあります。どういう事かというと、ちょっとこれは有名な例文になりますが、こちらです。”and”で繋がっています。

“the boy and the dog”、そうすると「少年と犬」というのがあります。

この関係代名詞の塊な訳ですが、ここに”are”と書いてあります。”are”と書いてあるという事は、これは「少年と犬」の両方が走っているという事を表していますから、そうするとここに”who”とか”which”と書いてしまうと”who are which are”になる訳です。

ですが、これが”the boys”とか”dogs”となっていないので、そうするとここに”which”とか”who”を入れてしまうとダメな訳です。

ですから、この走っているのが「少年と犬」の両方なので、そうすると“who”は人にしか使えない、”which”は人以外にしか使えないですから、人と人以外が先行詞になっているので、じゃあここはどっちでも使える”that”を使おうという事になります。

③番までは”that”が好まれる場合になっていますが、こちらの人+人以外の場合というのは、これは逆に”that”じゃないと使えない訳です。ですから、訳はこちらの場合「そこで走っている少年と犬を見て下さい。」となります。

訳し方は変わらないですが、人+人以外だから”that”使う。ここも”that”だからis”ではなくて、”the boy and the dog”と複数いるからbe動詞は”are”にするという点に注意して下さい。

このようにLesson10というのはかなり盛りだくさんな内容になっていますから、どのセクションに関しても必ず教科書を読み込むとともに、問題集で実際に手を動かして練習をするようにして下さい。

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Lesson10 関係代名詞 that が好まれる場合(まとめ&クイズ)

まとめ

ポイント 説明
① 序数がある先行詞 first / second / last など、順序を表す語を含む先行詞では that が好まれる。
・例:This is the first novel that she read in English.
② 最上級がある先行詞 the best / the largest などの最上級を含むときも that を使うことが多い。
・例:This is the best movie that I have ever seen.
③ 限定語句(only など) ・先行詞に only など「唯一」「特定」を強く示す語があるとき、that が好ましい。
・例:This is the only money that I have.
④ 全体表現(all / every) all / every など「すべて・全ての〜」を表す語が先行詞にあるときは that を使う。
・例:
All the books that I am reading are interesting.
Every song that she sings is beautiful.
・語順:all + the / 所有格 + 名詞(All the books / All my friends)
⑤ ~thing を含む先行詞 something / anything / nothing / everything など ‐thing を含む語が先行詞のときは that を用いる。
・例:I remember anything that she said then.
⑥ 人+人以外が先行詞 the boy and the dog のように「人+物(動物)」が一つの先行詞になっている場合、who も which も使えず that 一択
・例:Look at the boy and the dog that are running there.
⑦ that と who / which の関係 ・主格・目的格の関係代名詞は基本的に who / which ⇔ that と置き換え可能。
・ただし上の①〜⑤では that が好まれ、⑥では that しか使えない 点を押さえる。

クイズ

問題 選択肢 答え
1. 序数(first / second / last など)を含む先行詞に続く関係代名詞として最もふさわしいものは? A. who B. which C. that D. what
2. 次の文で空所に入る最も適切な語は?
This is the best movie (   ) I have ever seen.
A. who B. which C. that D. what
3. 「これは私の唯一のお金です。」のように only を含む先行詞のとき、関係代名詞として好ましいのは? A. who B. which C. that D. whose
4. 「全ての本」を表す先行詞として正しい語順はどれ? A. the all books
B. all books the
C. all the books
D. books all the

5. 「全ての本はおもしろい。」という意味になる文として最も適切なのはどれ?
(関係代名詞に注意)
A. All the books which I am reading are interesting.
B. All the books that I am reading are interesting.
C. All the books who I am reading are interesting.
D. All the books what I am reading are interesting.

6. ~thing を含む先行詞に適切な関係代名詞はどれ?
I remember anything (   ) she said then.
A. who B. which C. that D. what
7. 次の日本語に最も近い英文はどれ?
「彼女が歌う全ての歌を私は知っています。」
A. I know every songs which she sings.
B. I know every song who she sings.
C. I know every song that she sings.
D. I know every song what she sings.

8. 先行詞が「the boy and the dog」のとき、関係代名詞として正しいものはどれ? A. who B. which C. that D. whose
9. 次のうち、文法的に正しいものはどれ?
(関係代名詞と be 動詞に注意)
A. Look at the boy and the dog who is running there.
B. Look at the boy and the dog which is running there.
C. Look at the boy and the dog that are running there.
D. Look at the boy and the dog that is running there.

10. 次の説明として正しいものはどれ? A. 「人+人以外」が先行詞なら who を使う。
B. 序数や最上級を含む先行詞では that が好まれる。
C. ~thing を含む先行詞では必ず which を使う。
D. all や every がある先行詞では関係代名詞は不要である。

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