文法問題は解けるのに英作文になると書けないのはなぜ?|文法知識を英文にする確認方法

文法問題では正解できる。現在完了や受動態について聞かれれば、習った内容も分かる。それなのに、日本語を見て自分で英文を作ろうとすると、最初の一語から手が進まない。

このような場合、「英文法をまったく理解していない」とは限りません。ただし、文法問題で正解できることと、その文法を自分で英文の中に使えることも同じではありません。

選択肢や並べ替える語句、単元名などの手がかりがある問題では知識を呼び出せても、英作文では自分で「何を主語にするか」「どの動詞を使うか」「どの語順にするか」を決める必要があります。

そのため、文法問題ではできるのに英作文になると書けないときは、文法を最初から全部やり直す前に、知っている文法をどこまで自力で使える状態になっているかを確認することが大切です。

この記事で考えること

  • 文法問題では解けるのに、自分で英文を作ると書けなくなる理由
  • 「分かった気がする」と「使える」の違い
  • 英作文で書けなくなったとき、どこを確認すればよいか
  • 基本例文の理解から、自分で一文作れるところまでつなげる練習
  • 自分では戻るべき文法を判断しにくいときの考え方

ここでは自由英作文全般の書き方や、受験英作文のテクニックを広く扱うのではありません。「習った文法は分かるはずなのに、自分で英文を作ろうとすると使えない」という状態に絞って考えていきます。

文法問題は解けるのに、白紙から英文を作ると書けなくなることがある

問題集ではできていたのに、日本語だけを渡されて英文を書くことになると急に手が進まなくなる。その差は、英作文になると自分で決めなくてはいけないことが増えるところにあります。

たとえば「次の文を受動態に書き換えなさい」と書いてあれば、受動態を使うことは最初から分かっています。並べ替え問題なら、英文に必要な単語も目の前にあります。選択問題なら、候補を見ながら正しい形を判断できます。

ところが、自分で英文を作るときには、そのような手がかりが減ります。

白紙から英文を作るときに自分で判断すること

  • 誰・何についての文にするか
  • 中心になる動詞を何にするか
  • どの文法を使うか
  • 単語をどの順番に置くか
  • 時制や動詞の形をどう変えるか

文法問題で正解できているなら、文法知識がまったくないわけではありません。ただ、その知識を自分で選び、英文の形に組み立てるところまで練習できていないと、問題の形式が変わっただけで使えなくなることがあります。

大切なのは、「文法問題ができたから、この単元は終わり」としないことです。その文法について説明できるか、問題で使えるか、さらに自分で英文を作れるかまで確認します。

英文法を学び直す際の基本的な考え方については、英文法を個別指導で学び直すときの考え方でも説明しています。

「分かった気がする」と「使える」は同じではない

授業を聞いたときは分かった。解説を読めば納得できる。それでも、自分だけで問題を解いたり英文を作ったりするとできないのであれば、「分かった気がする」ところで学習が終わっている可能性があります。

説明を聞いて理解することはもちろん必要です。しかし、本当に理解できているかどうかは、そのあと自分で知識を取り出してみなければ分かりません。

  1. 説明されている内容を理解する
  2. なぜその形になるのか、自分で説明できる
  3. 文法問題をきちんと解ける
  4. 学習した英文法を用いて、自分で英文を作れる

説明できても問題で正解できなければ、まだ知識を自分で使えているとは言えません。問題をきちんと解けなくては、理解したとは言い切れないからです。

さらに、問題が解けたあとには、その文法を自分で英文にできるかも確かめます。

「現在完了を使いなさい」と指定されれば書けるのに、自分のことを現在完了で一文書こうとすると内容や形を決められないのであれば、文法そのものを知っていても、それを自力で英文にするところがまだ不安定です。

文法を理解してから問題演習や英文作成へつなげていく考え方は、英文法を問題演習や英文作成までつなげる学習についての解説でも確認できます。

英作文で書けなくなったら、どこで文法を使えなくなったかを見る

問題なら解けるのに、いざ英文を書こうとすると手が進まない場合、「英作文が苦手」でまとめてしまうと、何を直せばよいのか分かりにくくなります。

そこで、書けなかった英文を見ながら、どの判断から自力でできなくなったのかを確認します。

主語を自分で決められているか

日本語を見たまま左から英単語へ置き換えようとすると、英文の主語を決めないまま書き始めてしまうことがあります。

文法問題では最初から英文の形がある程度与えられているため、主語を一から決める必要がないこともあります。しかし英作文では、「誰・何について述べる文なのか」を自分で決めなければなりません。

たとえば受動態であれば、「be動詞+過去分詞」という形を言えるだけでは、自分で英文を書けるとは限りません。もとの文で目的語だったものを主語にする、という関係まで理解していなければ、単語が変わったときに判断できなくなることがあります。

動詞を決めたあと、その形まで自分で作れているか

主語が決まったら、次に文の中心になる動詞を決めます。

ここでは単語の意味を知っているだけでなく、時制や文法に合わせて動詞の形を変えられるかも確認します。

文法問題では空欄の前後や選択肢がヒントになりますが、自分で英文を作る場合は必要な形そのものを自分で作らなくてはいけません。

「正しい形を見れば分かる」のに「何もないところからは作れない」のであれば、形を知らないというより、知識を自分で取り出して組み立てるところが不安定だと考えられます。

完成した語順だけを覚えていないか

一度見た英文なら書けるのに、単語や文の種類が少し変わると語順を決められなくなる場合は、完成した英文だけを覚えていないか確認します。

たとえば、受動態の疑問文には次のような違いがあります。

What was stolen?

この文では What が主語なので、そのあとに was stolen が続きます。

Where was the bag found?

こちらでは the bag が主語なので、Where のあとにbe動詞、主語、過去分詞と続きます。

この二つを別々の完成形として覚えるだけでは、別の疑問詞や別の単語になったときに再現できないことがあります。

その場合は、「疑問文だからこの並び」と覚え直すのではなく、もとの文では何が主語だったのか、何を尋ねるためにどの部分を動かしたのかまで戻って確認します。

ここでは受動態を例にしていますが、確認の考え方は受動態だけのものではありません。文法の種類が変わっても、主語・動詞・語順・文法による形の変化を自分で説明できるかを見ることが大切です。

受動態の疑問文で、もとの文から主語と語順をどう考えるかを確認したい場合は、受動態の疑問文で主語と語順を確認する解説も参考になります。

文法知識を英文にするには、どこまでできているか順に確認する

文法問題ではできるのに英文では使えない場合、いきなり長い英作文を何本も書く必要はありません。

一つの文法について、基本例文の理解から自分で一文作れるところまで確認します。

まず、基本例文の意味と形が分かっているかを見る

その文法が使われている基本的な英文を確認します。

日本語訳だけを見るのではなく、主語はどれか、動詞はどれか、その文法によってどの部分が変化しているかを見ます。

ここで形そのものが理解できていないのであれば、英作文を増やす前に文法の説明へ戻る必要があります。

次に、「なぜこの形になるのか」を説明できるかを見る

基本例文を見て分かったつもりでも、自分で理由を説明しようとすると、うまく言葉にできないことがあります。

たとえば受動態なら、「目的語だった語を主語にする」「動詞をbe動詞+過去分詞にする」というところまで説明できるかを確認します。

説明できない部分があれば、正解文をもう一度覚えるのではなく、なぜそうなるのかを文法の説明に戻って確かめます。

問題で使えたら、日本語から自分で一文作ってみる

説明でき、文法問題も解けるようになったら、日本語を見て英文にします。

正解の英文を丸ごと思い出そうとせず、まず誰・何についての文なのかを考え、そのあと中心となる動詞を決めます。それから必要な文法に合わせて、語順や動詞の形を決めます。

文法問題では問題文側が用意してくれていた判断を、自分で行えるかを見る段階です。

最後に、学習した文法を使って自分の内容を一文書いてみる

日本語から英文にできたら、その日に確認した文法を使って、自分のことや身近な内容について一文作ってみます。

難しい単語や複雑な内容を入れる必要はありません。ここで確かめたいのは英文の難しさではなく、学習した英文法を自分で呼び出して使えるかだからです。

ここで書けなくなった場合は、無理に次の文へ進まず、基本例文やその文法の説明へ戻します。

どこまで一人でできるか確認する

  • 説明を読めば意味が分かる
  • なぜその形になるのか自分で説明できる
  • 文法問題を自力で解ける
  • 日本語からその文法を使った英文を作れる
  • 同じ文法を使って、自分の内容でも一文作れる

間違えた英文は、答えを覚えるより戻る場所を確認する

英作文で間違えたとき、模範解答を見れば「正しい英文」はすぐに分かります。それでも似た問題でまた書けないのであれば、答えだけを覚えて終わっていないか確認する必要があります。

文法知識を使えなかったことが原因なら、本当に見たいのは完成した答えではなく、どの判断で書けなくなったかです。

  • 誰・何を主語にするか決められなかったのか
  • 中心になる動詞が出てこなかったのか
  • 時制を判断できなかったのか
  • 使う文法は分かったが、その形を作れなかったのか
  • 疑問文や否定文にすると語順を決められなくなったのか

ここを分けると、どこへ戻る必要があるのかが見えやすくなります。

たとえば受動態の英文が書けなかったとしても、「受動態をもう一度全部勉強する」とすぐに決める必要はありません。

「be動詞+過去分詞」という形は分かっているのに、何を主語にすればよいか分からなかったのであれば、完成した受動態の形よりも、もとの能動態で主語・動詞・目的語がどうなっているかを確認したほうがよい場合があります。

反対に、主語は決められているのに過去分詞が出てこないのであれば、確認すべきところは別です。

英作文で書けなかった英文は、文法をどこまで使える状態になっているかを確かめる材料にもなります。

自分で戻る場所を判断できないとき

文法問題なら解けるのに英文が書けないとき、自分でも「何が分かっていないのか分からない」という状態になることがあります。

自分で確認するときの順番

  1. その文法の基本的な意味を説明できるか
  2. 基本例文の主語と動詞を確認できるか
  3. なぜその語順や動詞の形になるのか説明できるか
  4. 文法問題なら自力で正解できるか
  5. 日本語から同じ文法を使った英文を作れるか

ここまで分けると、「説明からあいまいなのか」「問題ならできるが英文にすると使えないのか」と、自分ができなくなる位置をある程度確認できます。

ただし、実際の英文では一つの文法だけを使っているとは限りません。

たとえば現在完了の英文を書こうとしてうまくいかなくても、確認していくと、現在完了そのものより前に、一般動詞の使い方や文の組み立て方が不安定だったということも考えられます。

ここで難しいのは、間違えた場所を見つけることだけではありません。その間違いが、今学習している文法の問題なのか、それ以前の文法へ戻る必要があるのかを判断することです。

自分で勉強していると、目の前の単元だけを繰り返しやすくなります。しかし、原因がその前の文法にあれば、同じ問題を増やしても英文を作れるようにならないことがあります。

そのため、書けなかった英文から主語・動詞・語順・文法の形を一つずつ確認し、どこから自力で説明・再現できなくなっているかを見ます。

「問題は解けるのに英文にできない」原因を一人で判断しにくい場合

文法問題ではある程度正解できるのに、自分で英文を作ると書けない場合、単純に問題数を増やせばよいとは限りません。

その文法を説明できるか、基本例文の主語・動詞・語順を理解しているか、問題で使えるか、日本語から自分で英文にできるか、と順に確認すると、できなくなる場所を見つけやすくなります。

ただ、自分だけでは「今の単元をもう一度確認するべきなのか、それ以前の文法へ戻るべきなのか」を判断しにくいことがあります。

Re-Writeの英文法パターンドリルでは、説明できるか、基本例文を理解できているか、問題で解けるか、そして学習した英文法を用いて自分で英文を作れるかまで確認していきます。

「分かった気がする」で終わらせず、文法を自分で使えるところまで確認したい場合は、講座内容をご覧ください。

英文法パターンドリルの指導内容を見る

まとめ|文法問題が解けたあとに、自分で英文を作れるか確かめる

文法問題は解けるのに英作文になると書けないのであれば、「英文法を何も分かっていない」と考える必要はありません。

ただし、選択肢や単元名などの手がかりがある状態では使える知識でも、自分で主語・動詞・語順を決めて英文にするところまで定着していない可能性があります。

文法を学んだら、説明を聞いて終わりにせず、自分で理由を説明する、問題を解く、そして学習した英文法を用いて英文を作るところまで確認します。

英文が書けなかったときも、正解文だけを覚えるのではなく、「主語を決められなかったのか」「動詞なのか」「語順なのか」「文法の形なのか」と原因を分け、必要なところへ戻ることが大切です。

「分かった気がする」から一段進み、自分で英文を作れるかまで確かめることが、文法知識を実際に使える状態へつなげる確認になります。

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